Excelで確率変数を実現する方法(3)

Excelで確率変数を実現する方法(2)」の続きです。
指定された値の平均と2乗変動係数を持つガンマ分布に従う確率変数をExcelで実現する方法を示します。平均をm、2乗変動係数をc^2で表すことにします。すると変動係数の定義により、標準偏差\sigma

  • \sigma=mc・・・・(1)

でした。さらにガンマ分布のパラメータ\alpha\betaは、「αとβと平均と標準偏差」により

  • \alpha=\left(\frac{m}{\sigma}\right)^2・・・・(2)
  • \beta=\frac{\sigma^2}{m}・・・・(3)

でした。この3つの式を用いると

  • \alpha=\left(\frac{m}{mc}\right)^2=\frac{1}{c^2}・・・・(4)
  • \beta=\frac{m^2c^2}{m}=mc^2・・・・(5)

となります。よって平均m、2乗変動係数c^2を持つような確率変数はExcelでは

  • 「=GAMMAINV(RAND(),1/c^2,m*c^2)」

で実現出来ます。例えば、平均5、2乗変動係数0.6のガンマ分布に従う確率変数は

  • 「=GAMMAINV(RAND(),1/0.6,5*0.6)」

で実現出来ます。