廃墟の歌

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神の家の前で人々は歌い祈る。
マーツ(トウモロコシの粥)やチャック・ビワを捧げ、たくさんの供物を持ち来たりて歌い祈る。
風が強く吹き荒れている。
我らが神、ハナウィコブよ、どうか、この嵐を鎮めたまえ。
我らが神よ。
アー、太陽が姿を消さんとする。
暗くて寒い寒い日々が、火が無い、寒い寒い日々が訪れる。
そして、すべてが終るのだ。
小鳥たちが人々を集めるために、この世が終ることを告げるために、飛び交う。
アー、我らが神ワイアンテコよ、我らが神よ、天上より降り来たりて、我らが何をなすべきかを教えたまえ。
今、我らは汝の教えを請い、歌い、そして祈る。
我らが神ワイアンテコのために。



「マヤ人の精神世界への旅」より

マヤ人の精神世界への旅

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