2007-06-01から1ヶ月間の記事一覧

ノルマを守ろうとする到着分布をモデル化しようとする努力

「ロット到着間隔のWIPへの影響の考察(2)」で提示し、「ロット到着間隔のWIPへの影響の考察(5)」と「ロット到着分布が独立でないということについて」で考察した、ノルマを守ろうとする、互いに独立ではない到着分布についてどのようにモデル化…

ルネサンスの歴史(下)

ルネサンスの歴史 (下) 反宗教改革のイタリア (中公文庫)作者: I.モンタネッリ,R.ジェルヴァーゾ,藤沢道郎出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 1985/02/10メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 3回この商品を含むブログ (4件) を見るこの(下)は、「反宗教…

ルネサンスの歴史(上)

ルネサンスの歴史 上 黄金世紀のイタリア作者: モンタネッリ,ロベルト・ジェルヴァーゾ,藤沢道郎出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 1981/12メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見るモンタネッリの本は「ローマの歴史」のほうを先に買っていて…

ロット到着分布が独立でないということについて

「ロット到着間隔のWIPへの影響の考察(5)」での結果のひとつは、ロットの到着間隔の分布が独立で同一分布に従う場合に、番目のロットが到着する時刻の標準偏差は、ロットの到着間隔の標準偏差をで表すと、 になるというものでした。つまりの増加ととも…

Factory Physicsを引用している論文

私が見た、Factory Physicsを引用している論文のタイトルを示します。これらは、ISSM(International Symposium of Semiconductor Manufacturing:半導体製造国際シンポジウム)の論文です。 ISSM2006から、 "A Dynamic Method for Optimal WIP Allocati…

唯識のすすめ

唯識のすすめ 仏教の深層心理学入門 (NHKライブラリー)作者: 岡野守也出版社/メーカー: NHK出版発売日: 1998/10/01メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 2人 クリック: 18回この商品を含むブログ (12件) を見る唯識に興味をもったのは三島由紀夫の遺作「豊…

「ザ・ゴール」に登場するジョナが研究している「科学」

TOC

ゴールドラットの「ザ・ゴール」ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か作者: エリヤフ・ゴールドラット,三本木亮出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2001/05/18メディア: ペーパーバック購入: 32人 クリック: 373回この商品を含むブログ (391件) を見…

Factory Physicsの観点からTOCのDBRを理論付け出来たか?

「ロット到着間隔のWIPへの影響の考察(2)」から「ロット到着間隔のWIPへの影響の考察(6)」までの考察のまとめを述べます。 Kingmanの近似式の前提には「到着間隔分布が互いに独立な同一確率分布である」という前提がある、と「推測される。」(…

ロット到着間隔のWIPへの影響の考察(6)

「ロット到着間隔のWIPへの影響の考察(5)」では、 「累積到着ロット数の「ノルマ」と「現実」の差が、ある一定数を越えない」ならば「到着間隔分布が互いに独立な同一確率分布」ではない という結論を導きました。ここでは、Kingmanの近似式 :キュー…

ロット到着間隔のWIPへの影響の考察(5)

「ロット到着間隔のWIPへの影響の考察(3)」の最後に示した問い この食い違いはどこから来るのでしょうか? に答える努力を続けます。私が予想している答えは、Kingmanの近似式 :キューでの待ち時間 :ジョブの到着間隔の変動係数 :装置処理時間の変…

ロット到着間隔のWIPへの影響の考察(4)

「ロット到着間隔のWIPへの影響の考察(2)」で示した、ロット累積到着数と累積処理開始数のグラフで でもし、時間0の時のWIPを少なめに設定するとどうなるか、見ておきます。例えば、WIPを2ロットに設定してみます。そうすると下のグラフのよう…

ロット到着間隔のWIPへの影響の考察(3)

「ロット到着間隔のWIPへの影響の考察(2)」で述べたロット到着の例では、到着間隔が確かに変動していたことを確認します。 もう一度、先のグラフを示します。 この例で実際に到着間隔を計算して、その度数分布グラフを作成すると下のようになりました…

ロット到着間隔のWIPへの影響の考察(2)

「ロット到着間隔のWIPへの影響の考察(1)」で述べた仮定 2時間の間には必ず12ロットが到着する性質を持つとします。 という仮定は、どうもしっくり来なかったので、代案をいろいろ考えてみました。ここで述べた例ではロットの到着は平均10分に1…

歴史(下) ヘロドトス

歴史 下 (岩波文庫 青 405-3)作者: ヘロドトス,松平千秋出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1972/02/16メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 10回この商品を含むブログ (21件) を見るペルシア王ダレイオスが死に、その子クセルクセスが即位します。そしてそのク…

番外編:Factory Physicsとの出会い

番外編として、私がどのようにFactory Physicsに出会ったか、という話を紹介いたします。 私のFactory Physicsとの出会いは2回あります。1回目は2000年か2001年、私が前の会社にいた頃、私の元上司からこの本を紹介されました。その当時はこの本は…

歴史(中) ヘロドトス

歴史(中) (岩波文庫 青 405-2)作者: ヘロドトス,松平千秋出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1972/01/17メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 7回この商品を含むブログ (45件) を見る(中)の概要は次のとおりです。 巻4:ダレイオスのスキュティア遠征とその…

ロット到着間隔のWIPへの影響の考察(1)

以下はまとまった考察ではありませんが、私が「いろいろな課題」で課題の1つとして挙げた ゴールドラットのTOCのDBR(ドラム・バッファ・ロープ)の原理をFactory Physicsの立場から理論付けること。 に回答する努力のひとつです。 1台だけからなる…

WIPとスループット、WIPとサイクルタイムのグラフ

「現実的な場合のスループットとサイクルタイムの関係(2)」で例として取り上げたモデル から求めたスループットとサイクルタイムの関係のグラフ を元に、WIPとスループットのグラフ、そして、WIPとサイクルタイムのグラフを作ってみます。そのため…

歴史(上) ヘロドトス

歴史 上 (岩波文庫 青 405-1)作者: 松平千秋出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1971/12/16メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 199回この商品を含むブログ (44件) を見る歴史の父ヘロドトスの本です。これも学生時代に夢中になった本です。夢中になった理由は…

満州帝国(Ⅲ) 児島襄

満州帝国 (3) (文春文庫 (141‐15))作者: 児島襄出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 1983/03メディア: 文庫 クリック: 2回この商品を含むブログ (2件) を見るこの本を買った当時の私にとってのこの本の一番の価値は、溥儀が満州皇帝から退位する際の状況が詳し…

ボトルネックのスケジューリングにはスケジューラを使え?

鋭い論理で工場運用の革新の方法を説いてきたゴールドラットのTOCですが、半導体ファブのように繰り返し工程が多く、さらにそれがセットアップと絡む場合、どのように適用すればよいのか、途方にくれていました。特に「さまざまな課題」で述べたように「…

ファクトリ・オペレーション・マネジメント(FOM)

ずっとこのブログでつたないながら述べてきました[ファブ内物流の論理を求めて]ですが、最近物流という言葉は適切な言葉ではないように感じています。「物流」と言いますとある場所(SOURCE)からある行先の場所(DESTINATION)へ運ぶ一回きりの運送を意味し…

満州帝国(Ⅱ) 児島襄

満州帝国 (2) (文春文庫 (141‐14))作者: 児島襄出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 1983/02メディア: 文庫この商品を含むブログを見るこの本は、1931年から1944年までを扱っています。もう少し、各章の扱っている時間を調べて見ると以下のようになり…

いろいろな課題

昨日「サイクルタイム短縮のためには」を書いた時に、ここにはさまざまな問題が積み残しになっているなあ、と感じました。それを解決することは私には容易そうには見えないのですが、まずは、それをリストアップすることから始めようと思います。 ゴールドラ…

サイクルタイム短縮のためには

「現実的な場合のスループットとサイクルタイムの関係(1)」「現実的な場合のスループットとサイクルタイムの関係(2)」で述べてきた の図のラインを元に、スループットを落とさずにサイクルタイムを短縮する方法を考えていきます。まず、 のグラフから…

現実的な場合のスループットとサイクルタイムの関係(2)

「現実的な場合のスループットとサイクルタイムの関係(1)」の議論をつづけます。 上図のようなラインにおけるスループットとサイクルタイムの関係を求めるために、個々のステーションにおけるスループットとサイクルタイムの関係を求めようとしているので…

現実的な場合のスループットとサイクルタイムの関係(1)

「待ち行列理論の利用」ではステーションが1つだけのラインについて、スループットとサイクルタイムの関係を求めましたが、ここではそれを複数のステーションからなるラインの場合に拡張します。「理想的な場合のスループットとサイクルタイムの関係」と似…

満州帝国(Ⅰ) 児島襄

満州帝国 (1) (文春文庫 (141‐13))作者: 児島襄出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 1983/01メディア: 文庫この商品を含むブログ (2件) を見るこれはよく読んだ本です。全3巻で、この第1巻では、満州事変前後の短い期間を扱っています。最初の章(章には番号…

待ち行列理論の利用

ラインから1ステーションを取り出して、そのステーションにおけるスループットとサイクルタイムの関係を求めるためにFactory Physicsでは、 ただし :キューでの待ち時間 :ジョブ(=ロット)の到着間隔の変動係数 :装置処理時間の変動係数 :装置の利用…

ゴールドラットのヴァイアブル・ヴィジョン

共通の興味を有する方々とお話しする機会を得て、その時の話題から触発されて、TOC(Theory Of Constraint:制約理論)で有名なゴールドラット博士の最近の活動のタイトルである「ヴァイアブル・ヴィジョン(実現可能な将来像)」を思い出しました。私は…