「ステーション・サイクルタイムの構成要素」での議論を受けて、ロットサイズと搬送時間の関係を求めたいところですが、搬送システムを数学的にモデル化することはステーションをモデル化するよりもずっと難しいことです。残念ながら、 搬送時間は搬送量の増…

「ステーション・サイクルタイムの構成要素」での議論を受けて、ロットサイズとキュー時間の関係を調べるにはWhittの近似式 ただし ：キューでの待ち時間 ：ジョブの到着間隔の変動係数 ：装置処理時間の変動係数。 ：装置の利用率 ：装置台数 ：装置の平均…

ホメーロスの英雄叙事詩 (1966年) (岩波新書)作者: 高津春繁出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1966/12/20メディア: 新書この商品を含むブログ (1件) を見る古い本ばかりが続きます。初版は1966年で、私が買った版が1978年です。ですから、約３０年前に買っ…

「ステーション・サイクルタイムの構成要素」での議論を受けて、ロットサイズとタクト時間、オーバーラップ処理時間の関係を調べます。 上の図のような装置を考えます。この図でジョブをウェハであると考えます。すると、ロット内のウェハの処理のガントチャ…

ここでは、ある１つのステーションを考えて、そこでのサイクルタイムの構成要素を洗い出します。 Factory Physicsの定義（ステーション・サイクルタイム）では、 サイクルタイム＝搬送時間＋キュー時間＋セットアップ時間＋処理時間＋バッチ待ち時間＋バッチ…

Factory Physicsの法則（搬送バッチの構成）を前にご紹介をしましたが、これを半導体ファブ（＝工場）に適用することを考えて見ます。半導体ファブに用語を合わせると、ジョブはウェハ、搬送バッチはロット、ということになります。 ある装置がウェハを処理…

三上さんの大学での講義に連動した記事「情報文化論2007 第３回 人間の誕生と意味の発生」を読んで、ウィーナーの「人間機械論」（原題：人間の人間的な利用）人間機械論―人間の人間的な利用作者: ノーバート・ウィーナー,鎮目恭夫,池原止戈夫出版社/メーカ…

「処理レート」のところの定義が間違っていることが分かりました。 「処理レート」とステーションのキャパシティは同じ意味でした。「キャパシティの逆数」と書いたのは私の間違いでした。「処理レート」という言葉を「タクト時間」に置き換えなければなりま…

昨日の記事では、ここ１ヶ月の議論のまとめに入ることを述べましたが、その前に片付けておきたいものが念頭から離れず、結局、それを考え続けることになってしまいました。今でもすっきりした結論にはなっていませんが、昨日よりはすっきりしているので、そ…

2007/3/19のロットサイズから2007/4/20のロットサイズ縮小がキュー時間CTqに与える影響（まとめ）まで半導体ファブにおけるロットサイズ縮小のサイクルタイムへの影響を調べ続けてきました。しかし、それはあっちにいっては行き詰まり、こっちにいっては行き…

ロットサイズ縮小によるセットアップ回数増加、セットアップまでの間隔Nsはロットサイズに依存しないか？、ロットサイズ縮小による利用率uの増加、ロットサイズ縮小が平均実効処理時間teに与える影響、ロットサイズ縮小が装置処理時間の変動係数Ceに与える影…

フランセス・イエイツの「薔薇十字の覚醒」薔薇十字の覚醒―隠されたヨーロッパ精神史作者: フランセス・イエイツ,山下知夫出版社/メーカー: 工作舎発売日: 1986/07/01メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (9件) を見るには、ライプニッツと…

ここでは、ロットサイズの縮小が、装置処理時間の変動係数に与える影響を考察します。 セットアップの待ち時間への影響にありますように です。そしてはセットアップを考慮した平均装置処理時間であり、ロットサイズ縮小が平均実効処理時間teに与える影響で…

ロットサイズ縮小による利用率uの増加では、ロットサイズ縮小が装置の利用率を増加させる様子を調べました。しかし、セットアップの待ち時間への影響のWhittの近似式 ただし ：キューでの待ち時間 ：ジョブの到着間隔の変動係数 ：装置処理時間の変動係数。 …

セットアップまでの間隔Nsはロットサイズに依存しないか？では、 セットアップから次のセットアップまでの平均ロット数はロットサイズに依存する。 という結論を出しましたが、ここでは仮にはロットサイズに影響しない とみなして、セットアップ回数が装置の…

ただの妄想なのですが、Googleにとっての三十年戦争は、同時多発テロ以降のこの一連の戦争なのだろうか、という思いがしたので、書いておきます。三上のブログの、三上さんの新年度の講義が始まることを知らせる情報文化論 2007 第１回 情報文化論とは何か：…

馬賊―日中戦争史の側面 (1964年) (中公新書)作者: 渡辺竜策出版社/メーカー: 中央公論社発売日: 1964メディア: 新書この商品を含むブログ (1件) を見るこれも古い本です。初版が昭和３９年で、私が買ったのが昭和５１年（１９７６年）です。馬賊というのは清…

日本に帰る飛行機の中で週間文春を読んでいたら、思いがけずアンドレ・ブルトンの名を見つけた。 週間文春 ４月１９日号 鹿島茂「私の読書日記 パリ、ブラッサイ、エッツェル」よりの引用 Ｘ月Ｘ日 今日のフランス行きの目的のひとつはナントを訪れてみるこ…

「ロットサイズ縮小によるセットアップ回数増加」ではディスパッチング・ルールとしてＦＩＦＯを採用しましたが、ディスパッチング・ルールはＦＩＦＯ以外にも考えられます。セットアップ回数を減らすために使用されるディスパッチング・ルールの例は、同じ…

ある装置群（＝ステーション）に注目してロットサイズを縮小した際、セットアップ回数がどのように増加するかについて考えます。 ロット（＝ジョブ）はそれぞれその装置群についての指定されたレシピを持っているとします。そしてセットアップは装置がロット…

百済はなぜ「くだら」と読むのか？ というタイトルは、私がこの解答を知っている、というのではありません。私の年来の疑問を表明したものです。新羅、百済、高句麗の日本語名と韓国語名を並べると以下のようになります。 新羅 ：シラギ シラ 百済 ：クダラ …

「ロットサイズのサイクルタイム（ＴＡＴ）への影響再考」での議論を受けて、セットアップ回数の増加によるキュー時間の増加について検討していきたいと思います。ここでまず思いつくのは、「故障と段取りの考慮」でご紹介した一連の式です。もう一度、掲げ…

ミステリー？ この本謎の七支刀―五世紀の東アジアと日本 (1983年) (中公新書)作者: 宮崎市定出版社/メーカー: 中央公論社発売日: 1983/09メディア: 新書この商品を含むブログ (2件) を見るの序章で、本筋とは関係ないのですが著者は、あの有名な「漢委奴国王…

謎の七支刀―五世紀の東アジアと日本 (1983年) (中公新書)作者: 宮崎市定出版社/メーカー: 中央公論社発売日: 1983/09メディア: 新書この商品を含むブログ (2件) を見る奈良県の石上神宮には形の変わった古い刀が伝わっていました。それは長さ２．５メートル…

今日の話は、半導体ファブをご存知の方には先刻ご承知のことがらばかりです。 半導体ファブでは加工される対象（材料）はウェハです。ウェハは円形をしております。この表面にＬＳＩ（＝チップ）がいくつも形成されるわけです。 よって、ウェハの直径が大き…

昨日、ブログをアップしてから、「再びロットサイズ縮小の効果」と「ロットサイズ縮小によるセットアップ（段取り）増加について」を読み直したところ、論理がうまく続いていないのを感じました。「再びロットサイズ縮小の効果」ではサイクルタイムへのセッ…

２日の「ロットサイズ縮小によるセットアップ（段取り）増加について」で紹介しました「ザ・ゴール」の引用で思い出すことがあります。 私は昔、半導体ファブのディスパッチングルールを設計したことがありますが、その時になるべくセットアップ（段取り）が…

白村江 (講談社現代新書)作者: 遠山美都男出版社/メーカー: 講談社発売日: 1997/10/15メディア: 新書 クリック: 5回この商品を含むブログ (10件) を見る白村江は韓国の古代の地名ですが、白村江と書いて日本ではなぜか伝統的に「ハクスキノエ」と読みます。…

２日のロットサイズ縮小によるセットアップ（段取り）増加についてで ボトルネックが一時間遊ぶ（処理を行わない）ことは、工場全体が一時間遊ぶことに等しい ということについての「ザ・ゴール」の中に印象的な場面があったというお話をしましたが、 今日は…

２９日の再びロットサイズ縮小の効果で ロットサイズを決定しているのは、搬送キャパシティとセットアップの回数と時間 という主張を述べました。搬送キャパシティについては解析が難しい（搬送シミュレーションに頼らざるを得ない）が、セットアップについ…