2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧

プル生産システムのモデル化を目指して(8)

「プル生産システムのモデル化を目指して(7)」の続きです。 それでは、もし、最後の装置4だけがボトルネックであって、他の3台の装置の処理時間が若干短かったら、プルによるスループット増大の効果はどの程度になるか調べてみましょう。このためには、…

おはらい町+おかげ横丁

ひょっとすると伊勢を離れることになるかもしれない、と思ったら、今のうちに写真に撮っておこうと思った。擬似江戸時代ワールドおはらい町+おかげ横丁。 これはおはらい町。この一角がおかげ横丁という名称の再開発地(?)。 碁会所。将棋もやっている。…

逆瀬川教授講義ノートの目次

昨日紹介しました「講義ノート7章--応用確率過程特論のヘルプページ(2008年版)--逆瀬川浩孝」は、よい教材のようです。こんな知識がタダで入手出来るとは、ありがたい、これを利用しない手はありません。 まず、内容を概観するために目次を作ってみました…

GI/G/1待ち行列の平均待ち時間の式

「Marshallの公式に向けて(1)」で引用した「待ち行列における近似モデル 逆瀬川浩孝氏」の一節 5.平均値の近似 混雑の指標として、何かの特性量の期待値だけを知りたい(求めたい)という場合がある。システム全体の解析を経ることなく、簡単な計算によ…

「神」の証明

「神」の証明―なぜ宗教は成り立つか (講談社現代新書)作者: 落合仁司出版社/メーカー: 講談社発売日: 1998/02メディア: 新書 クリック: 4回この商品を含むブログ (11件) を見る この本は神の「存在」を証明したわけではありません。(それだったら大ニュース…

プル生産システムのモデル化を目指して(7)

「プル生産システムのモデル化を目指して(5)」の続きです。 「(5)」では装置が4台直列に並んだ生産ライン 図1 においてプッシュで運用した場合とプルで運用した場合の利用率とX-Factoer の関係を比較し、プッシュの場合は ・・・・・(5) プルの場…

プル生産システムのモデル化を目指して(6)

「プル生産システムのモデル化を目指して(5)」の続きです。 「(5)」では装置が4台直列に並んだ生産ラインについてプル方針の場合の利用率とX-Factor、の関係を求めました。ここではこれを少し拡張して、装置が台直列に並んだ場合のプル方針下における…

「人生、まさか・・・」のその後。

4月21日エントリの件でご声援を頂いた方々にお礼申し上げます。ご連絡が遅くなりましたが、 http://www.muratec.jp/corp/info/news/2009/20090616.html ということになりました。まだ、若干不安な点はありますが、ひとまず業務を続けられそうです。

プル生産システムのモデル化を目指して(5)

「プル生産システムのモデル化を目指して(4)」の続きです。 ネットワーク内にジョブが個あるとします。装置1にジョブが到着する際、[到着定理]から装置1で処理中または待っているジョブ数の平均値は ・・・・・(19) になります。今、処理中のジョブ…

プル生産システムのモデル化を目指して(4)

「プル生産システムのモデル化を目指して(3)」の続きです。 「閉鎖型待ち行列ネットワークの到着定理(8)」で明らかになった到着定理 到着定理 ネットワーク全体にジョブがS個あるとして、ある特定のステーションにジョブが到着する時のシステム全体の…

閉鎖型待ち行列ネットワークの到着定理(8)

「閉鎖型待ち行列ネットワークの到着定理(7)」の続きです。 補題2を導出する過程でにしてもこの導出が成立することに注意して下さい。また、補題2から状態との間でも同様な関係が成り立つことが分かります。 補題3 ネットワーク全体でジョブがS個ある…

閉鎖型待ち行列ネットワークの到着定理(7)

「閉鎖型待ち行列ネットワークの到着定理(6)」の続きです。 待ち行列ネットワークのステーションの数をとします。ステーションのスループットをで表します。ステーションを終えたジョブがステーションに進む確率をで表します。そうすると、ステーションに…

アマテラスの誕生

アマテラスの誕生―古代王権の源流を探る (岩波新書)作者: 溝口睦子出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2009/01/20メディア: 新書購入: 5人 クリック: 45回この商品を含むブログ (27件) を見る 図書館で見かけて題名に魅かれて手に取りました。数ページ読んで…

閉鎖型待ち行列ネットワークの到着定理(6)

「閉鎖型待ち行列ネットワークの到着定理(5)」の続きです。 では、一般の閉鎖型ジャクソンネットワークについて到着定理の証明を述べていきます。 まず、ジョブの到着を監視するステーションをステーション1とすることにします。証明すべき事柄は、 定理…

閉鎖型待ち行列ネットワークの到着定理(5)

「閉鎖型待ち行列ネットワークの到着定理(4)」の続きです。 次に下図 図16 のような生産ラインを考えます。そして装置1へジョブが到着した時の、ネットワーク全体の状態(到着するジョブを除く)の確率分布を調べます。今回の場合は、装置2からも装置…

プラトン 斎藤忍随著

プラトン (岩波新書)作者: 斎藤忍随出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1972/10/20メディア: 新書 クリック: 4回この商品を含むブログ (2件) を見る プラトン哲学の体系的な解説書という感じではありません。プラトン以外にもホメロスのイーリアスやホメロス…

閉鎖型待ち行列ネットワークの到着定理(4)

「閉鎖型待ち行列ネットワークの到着定理(3)」の続きです。 図12 上記の生産ラインで、ライン内にジョブが2個ある場合には到着定理が成り立つことが分かりました。これはたまたまそうなったのでしょうか? それを調べるために今回は生産ライン内にジョ…

閉鎖型待ち行列ネットワークの到着定理(3)

「閉鎖型待ち行列ネットワークの到着定理(2)」の続きです。 さて、一般的な証明を探る前にもう1つ2つ具体例を調べる必要があります。 なぜ突然、口調が「ですます調」になったかと言いますと、答が見つかったからです。それで余裕が出てきたので「です…

(妄想)6月の星座

6月は晴れている日が少ないわね。せっかくの夏至の夜がだいなし・・・・。 おとめ座を正義の女神アストライアに充てる人々もいます。隣のてんびん座はアストライアの持っている天秤を表わし、それは正義の象徴です。アストライアは金の時代、銀の時代には地…

閉鎖型待ち行列ネットワークの到着定理(2)

「閉鎖型待ち行列ネットワークの到着定理(1)」の続きです。 前回「(1)」では、下図 図2 のようなネットワークでしかもジョブが2個存在する場合についてのみ到着定理が成り立つことを確かめた。これを一般化していかなければならない。まず、図2のネ…

閉鎖型待ち行列ネットワークの到着定理(1)

「プル生産システムのモデル化を目指して(3)」の続きです。 ひらめきは突然やってくる。突然やってくるようにみえてしまう。 やってくるとその考えが頭を占めてしまい、その考えに至った道筋を忘れてしまう。それで突然やってくるようにみえてしまう。昨…

プル生産システムのモデル化を目指して(3)

「プル生産システムのモデル化を目指して(2)」の続きです。まだまだ整理されていません・・・・。 ORWikiの到着定理では PASTA(Poisson arrivals see time averages)のネットワーク版である. と書かれているが、PASTAはポアソン到着でなければ成…

プル生産システムのモデル化を目指して(2)

「プル生産システムのモデル化を目指して(1)」の続きです。整理されていない考察が続きます・・・・。 さて、「(1)」で示した生産ラインにおいてプッシュ方針で運用した場合の利用率とX-Factoerの関係は以下のように計算出来る。 「ジャクソン・ネット…

プル生産システムのモデル化を目指して(1)

「短寿命市場環境と短サイクルタイム(4)]」において DBRの方策は一種のプル方針であるが、プルの効果を数学的モデルで示すことは出来ないか? これは恐らくMVA(平均値解析法)を用いるのだろう。 と書いた。実はこれを進めていく上で困難にぶち当…

(妄言)アリストテレス

私はアリストテレスにはお会いしたような気がする。海辺で彼が巻貝を取り上げて、その構造がどのように発生するのか考えているのを見たような・・・・。そしてこの妄想を広げていくと、それは彼が40代にさしかかる頃のことで、彼は今まで(20年間も!)…

アリストテレス 山本光雄

アリストテレス―自然学・政治学 (1977年) (岩波新書)作者: 山本光雄出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1977/08/22メディア: 新書購入: 1人 クリック: 1回この商品を含むブログ (2件) を見る 中学生の頃だと記憶しているのですが、私が生まれ育った町の図書館…

短寿命市場環境と短サイクルタイム(4)

TOC

「(3)」の最後で しかしより良いのは、スループットの減少をなるべく少なくしながらWIPを減らす方策を検討することだろう。 と書いた。 ここから話をDBR(ドラム・バッファ・ロープ手法)につなぐことは出来る。すなわち、 工場全体のスループット…

プルタルコス英雄伝(中)

プルタルコス英雄伝〈中〉 (ちくま学芸文庫)作者: プルタルコス,Ploutarchos,村川堅太郎出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1996/09/01メディア: 文庫 クリック: 3回この商品を含むブログ (6件) を見る またしてもプルタルコス(プルターク)です。こんなに何…

サイバネティックス。第3章まで読解を進めました。

サイバネティックス―動物と機械における制御と通信作者: ノーバート・ウィーナー,池原止戈夫,弥永 昌吉,室賀 三郎,戸田 巌出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1962/10/25メディア: 単行本 クリック: 34回この商品を含むブログ (22件) を見る 以下にリンクを示…

「サイバネティックス」という本の「第3章 時系列、情報および通信」(まとめ)

上位エントリ:サイバネティックス 先行エントリ:「サイバネティックス」という本の「第3章 時系列、情報および通信」(14) 第3章の論旨をまとめてみます。 第2章の最後で「次の章では、時系列の統計力学を論ずる。この分野では熱機関の統計力学の場合…