主成分分析(6)
では、「主成分分析(1)」で示した例
について実際に主成分分析をしてみまよう。まず、分散共分散行列を計算すると、
- ・・・・(14)
となります。次にの固有値を求めるために、
- ・・・・(13)
を計算します。これは
となります。これを書き下すと
となり、これを変形すると
になります。これを二次方程式の解の公式を使って解くと
になります。よって、第一成分の分散が0.486(標準偏差はその平方根なので0.697)、第二成分の分散が0.036(標準偏差は0.190)になります。次に、固有ベクトルを求めます。まず固有値が0.486の時の固有ベクトルですが、
から、
となり、ここから
の2つの式が出来ますが、両方の式は同じ内容を示していて、変形すると
- ・・・・(15)
となります。ここで、ベクトルの長さを1にするために
- ・・・・(16)
という条件を課します。式(16)に(15)を代入して
これを計算すると
になります。これを式(15)に代入してになります。ここから、固有値0.486の時の固有ベクトルはとなります。固有値0.036の時の固有ベクトルも同様に計算するととなります。この2つのベクトルが直交しているのは、ちょっと計算すれば分かります。主成分分析の結果としては、第1主成分がでその分散が0.486、第2主成分がでその分散が0.036となります。上の図にこの2つの成分(方向)を書き入れてみました。
赤色の線が第1主成分を、緑色の線が第2主成分を表します。
さらには固有ベクトルを並べたものですから
となります。変換後の座標をで表すと「主成分分析(5)」の式(11)を参照して
- ・・・・(17)
ここでであることを考慮すれば
- ・・・・(18)
つまり、元のデータのを
で変換すれば新しい座標が得られることになります。