ロット到着間隔のWIPへの影響の考察(1)
以下はまとまった考察ではありませんが、私が「いろいろな課題」で課題の1つとして挙げた
- ゴールドラットのTOCのDBR(ドラム・バッファ・ロープ)の原理をFactory Physicsの立場から理論付けること。
に回答する努力のひとつです。
- 1台だけからなる故障率0%の装置からなるステーションを考えます。このステーションのキャパシティを6ロット/hとします。つまり10分に1ロットの割合で処理するとします。また、ロットのこのステーションへの到着間隔には変動がありますが、2時間の間には必ず12ロットが到着する性質を持つとします。たとえば、1時間50分の間、このステーションに1ロットも到着しなかったとしても、最後の10分で12ロットが必ず到着するものとします。
- すると、このステーションに最初から12ロットのWIPを持たせておけば、1時間59分59秒の間たとえロットが到着しなくても、仮定により、最後の1秒に12ロットが到着するので、再びステーションは最初の状態に戻ります。よって、装置は100%の利用率で稼動することが分かります。
- このように考えれば、WIPが12ロットでこのステーションは利用率が100%になります。
- ところがFactory Physicsで活躍する式(Kingmanの近似式)
- では、利用率が100%(つまり「1」)になると、待ち時間は正の無限大に発散してしまいます。よってサイクルタイムも無限大になります。さらにリトルの法則
- から、WIPも無限大になることになります。
- ところが上に考えた例ではでWIPは12ロットでした。
では、何が原因で無限大にはならないのでしょうか?
この考察は「ロット到着間隔のWIPへの影響の考察(2)」につづきます。