階層的モデル化の解法について(2)
「階層的モデル化の解法について(1)」の続きです。
次に進みます。
FECSの処理レートを評価するための一般的テクニックは分離可能な高レベル・モデルをもたらさないが、低レベル・モデルを分離可能ネットワークとして解析すること(セクション8.3の2番目の方法)はそれをもたらすことが保証されている。
この部分の理解もちょっと出来ません。この話はそれ以前の「元々のネットワークが分離可能だがそこから作った高レベル・モデルは非分離可能」な場合の話の続きなのでしょうか? でも、上の話は「元々のネットワークが分離可能ならば、そこから作った高レベル・モデルも分離可能」と言っているような気もします。
この事実に基づいて、分離可能ネットワークの階層的モデル化において使用する効率的な戦略がアルゴリズム8.1としてまとめられた。
「アルゴリズム8.1」は分離可能ネットワークのための解法なので、「元々のネットワークも、そこから作った高レベル・モデルも分離可能」な場合の解法であると理解出来ます。
その後の
もともとのモデルが分離可能でない場合、アルゴリズム8.1は若干修正されなければならない。もしモデルの非分離可能側面が低レベル・モデルのうちの1つに含まれているならば、サブモデルを解くアルゴリズムのステップは、MVA解法が適用出来ないので、修正されなければならない。同様に、非分離可能サブモデルから得られるスループットは分離可能FESCをもたらさないので、高レベル・モデルの解を扱うアルゴリズムのステップは修正されなければならない。もし元もとのモデルの非分離可能局面がどの低レベル・モデルにも見られず、高レベル・モデルにのみ見られるならば、このモデルの解を扱うステップのみが変更されなければならない。アルゴリズム8.1を適用する際にMVAの代わりに使用することが出来る非分離可能モデルを解くための方法はセクション8.5で与えられる。その方法は元々のモデルの近似解をもたらす。しかし、経験が示すところによればそのような近似は通常きわめて正確である。
は理解出来ます。以下の場合分けになると思います。
- 階層的モデル化を適用する場合
- 元々のモデルが分離可能な場合
- 解法は、アルゴリズム8.1
- 元々のモデルが非分離可能な場合
- 低レベル・モデルのうち少なくとも1つが非分離可能な場合
- 解法は、アルゴリズム8.1を修正したもの。修正箇所は以下の2箇所
- 低レベル・モデルを解く際にMVA解法の代わりに「8.5.1.大域バランス」かシミュレーションを用いる。
- 高レベル・モデルを解く際に第20章のMVA解法の拡張の代わりに「8.5.1.大域バランス」かシミュレーションを用いる。
- 解法は、アルゴリズム8.1を修正したもの。修正箇所は以下の2箇所
- 低レベル・モデルが全て分離可能で、高レベル・モデルだけが非分離可能な場合
- 解法は、アルゴリズム8.1を修正したもの。修正箇所は以下の1箇所
- 高レベル・モデルを解く際に第20章のMVA解法の拡張の代わりに「8.5.1.大域バランス」かシミュレーションを用いる。
- 解法は、アルゴリズム8.1を修正したもの。修正箇所は以下の1箇所
- 低レベル・モデルのうち少なくとも1つが非分離可能な場合
- 元々のモデルが分離可能な場合
そうするとこの「8.4.高レベル・モデルの求解」で分からない箇所は、「元々のモデルが分離可能なのに高レベル・モデルが非分離可能」の場合というのが本当にあり得るのか、という疑問に集約されます。