M/G/1/4待ち行列(1)

M/G/1/3待ち行列(1)」の内容をM/G/1/4の場合に拡張します。


まず、サービス終了時のシステム内のジョブ数に注目します。この時、サービスを終了したジョブはジョブ数に含めません。そうするとジョブ数は3の時と2の時と1の時とゼロの時があります。それぞれの確率をp'(3)p'(2)p'(1)p'(0)で表わします。


あるサービス後にジョブが0個の場合、以下の2つの場合が考えられます。

  • 前のサービス後にジョブが0個で、しばらくサーバが空いており、その後次にジョブが到着してサービス時間の間、ジョブの到着がなかった。
  • 前のサービス後にジョブが1個で、そのジョブのサービス時間の間、ジョブの到着がなかった。

サービス時間の間、ジョブが到着しない確率をA(0)とします。定常状態であることを考えると上の考察から

  • p'(0)=p'(0)A(0)+p'(1)A(0)

となります。よって

  • p'(1)=\frac{1-A(0)}{A(0)}p'(0)・・・・(1)


あるサービス後にジョブが1個の場合、以下の3つの場合が考えられます。

  • 前のサービス後にジョブが0個で、しばらくサーバが空いており、その後次にジョブが到着してサービス時間の間、ジョブが1個到着した。
  • 前のサービス後にジョブが1個で、そのジョブのサービス時間の間、ジョブが1個到着した。
  • 前のサービス後にジョブが2個で、そのうちの1つのジョブのサービスの間、ジョブの到着がなかった。

サービス時間の間、ジョブが1個到着する確率をA(1)とします。定常状態であることを考えると上の考察から

  • p'(1)=p'(0)A(1)+p'(1)A(1)+p'(2)A(0)

よって

  • p'(2)A(0)=[1-A(1)]p'(1)-p'(0)A(1)
  • p'(2)=\frac{[1-A(1)]p'(1)-p'(0)A(1)}{A(0)}・・・・(2)

式(2)に(1)を代入して

  • p'(2)=\frac{[1-A(1)]\frac{[1-A(0)]}{A(0)}p'(0)-p'(0)A(1)}{A(0)}
    • =\frac{[1-A(1)][1-A(0)]p'(0)-p'(0)A(0)A(1)}{A(0)^2}
    • =\frac{[1-A(0)-A(1)]p'(0)}{A(0)^2}

よって

  • p'(2)=\frac{[1-A(0)-A(1)]p'(0)}{A(0)^2}・・・・(3)


あるサービス後にジョブが2個の場合、以下の4つの場合が考えられます。

  • 前のサービス後にジョブが0個で、しばらくサーバが空いており、その後次にジョブが到着してサービス時間の間、ジョブが2個到着した。
  • 前のサービス後にジョブが1個で、そのジョブのサービス時間の間、ジョブが2個到着した。
  • 前のサービス後にジョブが2個で、そのうちの1つのジョブのサービスの間、ジョブが1個到着した。
  • 前のサービス後にジョブが3個で、そのうちの1つのジョブのサービスの間、ジョブの到着がなかった。

サービス時間の間、ジョブが2個到着する確率をA(2)とします。定常状態であることを考えると上の考察から

  • p'(2)=p'(0)A(2)+p'(1)A(2)+p'(2)A(1)+p'(3)A(0)

よって

  • p'(3)A(0)=[1-A(1)]p'(2)-p'(1)A(2)-p'(0)A(2)
  • p'(3)=\frac{[1-A(1)]p'(2)-p'(1)A(2)-p'(0)A(2)}{A(0)}・・・・(4)

式(4)に(1)(3)を代入して

  • p'(3)=\frac{[1-A(1)]\frac{[1-A(0)-A(1)]}{A(0)^2}p'(0)-\frac{[1-A(0)]}{A(0)}A(2)p'(0)-p'(0)A(2)}{A(0)}
    • =\frac{[1-A(1)][1-A(0)-A(1)]-[1-A(0)]A(0)A(2)-A(0)^2A(2)}{A(0)^3}p'(0)
    • =\frac{1-A(0)-A(1)-A(1)+A(0)A(1)+A(1)^2-A(0)A(2)+A(0)^2A(2)-A(0)^2A(2)}{A(0)^3}p'(0)
    • =\frac{1-A(0)-2A(1)+A(0)A(1)+A(1)^2-A(0)A(2)}{A(0)^3}p'(0)

よって

  • p'(3)=\frac{1-A(0)-2A(1)+A(0)A(1)+A(1)^2-A(0)A(2)}{A(0)^3}p'(0)・・・・(5)


M/G/1/4の場合、サービス終了時のシステム内のジョブ数はゼロか1か2か3のどれかしかないので

  • 1=p'(0)+p'(1)+p'(2)+p'(3)・・・・(6)

式(6)の右辺に(1)(3)(5)を代入して

  • p'(0)+p'(1)+p'(2)+p'(3)=p'(0)+ \frac{1-A(0)}{A(0)}p'(0)+ \frac{[1-A(0)-A(1)]p'(0)}{A(0)^2}+\frac{1-A(0)-2A(1)+A(0)A(1)+A(1)^2-A(0)A(2)}{A(0)^3}p'(0)
    • =\frac{A(0)^3+A(0)^2-A(0)^3+A(0)-A(0)^2-A(0)A(1)+1-A(0)-2A(1)+A(0)A(1)+A(1)^2-A(0)A(2)}{A(0)^3}p'(0)
    • \frac{1-2A(1)+A(1)^2-A(0)A(2)}{A(0)^3}p'(0)

よって

  • \frac{1-2A(1)+A(1)^2-A(0)A(2)}{A(0)^3}p'(0)=1

よって

  • p'(0)=\frac{A(0)^3}{1-2A(1)+A(1)^2-A(0)A(2)}・・・・(7)

式(7)を(1)に代入して

  • p'(1)=\frac{[1-A(0)]A(0)^2}{1-2A(1)+A(1)^2-A(0)A(2)}・・・・(8)

式(7)を(3)に代入して

  • p'(2)=\frac{[1-A(0)-A(1)]A(0)}{1-2A(1)+A(1)^2-A(0)A(2)}・・・・(9)

式(7)を(5)に代入して

  • p'(3)=\frac{1-A(0)-2(1)+A(0)A(1)+A(1)^2-A(0)A(2)}{1-2A(1)+A(1)^2-A(0)A(2)}・・・・(10)

となります。