甲骨文字に歴史を読む。
- 作者: 落合淳思
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2008/07
- メディア: 新書
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おもしろかった。古代の中国というのを今までほとんど知らなかったというのを認識した。だいたい自分の頭の中にイメージがあるのは漢代から。殷というのはほとんどイメージがない。後代の中国文明とは違った荒々しさ、呪術性を感じる。それにしても殷が500年も続いていたとは!
殷:だいたい紀元前1600年頃から前1046年。
こんな昔の話だから、伝説が多くて史実が少ないのももっともなことだ。だから同時代の文字による記録が大切になる。甲骨文字は動物の骨に刻んだ占いのための文字であり、残っている記録は皆、占いの記録しかないのだが、そこから社会の状況や王統譜や歴史が垣間見えるのがおもしろい。ちょうど先史ギリシアにおける線文字Bのようだ。