ホップフィールドネットワーク理解に向けての準備体操(3)
のネットワークにはとの2つの安定な状態があるということが分かりました。このことを念頭におくと最初に考えたのネットワークも
の安定状態のほかに
の安定状態が存在することが分かります。ここから、ある安定状態の個々のニューロンの出力で「1」と「−1」を入れ替えたものも安定状態になることが推測されます。この推測を確かめるのはのちに行います。
次にニューロンが3個のホップフィールドネットワークを調べてみます。最初は全てのシナプス係数が1であるようなネットワークを考えます。この時はが安定状態になります。
各々のニューロンの入力を考え、とを計算すれば、上の状態が安定していることが分かります。さて、上の状態の1とー1を入れ替えた
も、やはり安定状態であることが分かります。ホップフィールドネットワークのおもしろいところは、安定でない状態を初期状態として設定して動作させた場合に、それがやがて安定状態のいずれかに到達するというところです。例として初期状態としてを設定した場合を考えてみます。
まずニューロン1の出力を計算します。になります。の時はと定義しましたので(赤色)となります。
次にニューロン2の出力を計算します。詳細は省略しますが(赤色)となります。
もうこれで安定状態になりました。安定であることを確かめるために、もう少し計算を進めてみます。
ニューロン3の出力を計算します。するととなります。
次にニューロン1の出力を計算します。するととなります。
次は図17と同じになりますから、以下、計算を進めても状態はのままになります。
もう一つ別の例を考えます。