ホップフィールドネットワーク(8)
さて、「ホップフィールドネットワーク(7)」での式(25)
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- ・・・・(25)
は単純な構造なのに記述すると長くなって不便です。これを改善するためにニューロンの番号の振り方を工夫します。今は各ニューロンに1個の番号を割り振って1から25までの番号をつけていますが、今度は各ニューロンに2個の番号を割り振ることにします。2個の番号はそれぞれ行と列を表します。つまり、下の図のようにします。
こうすることによって、ニューロンの出力はむしろと表さなければならなくなります。さてこのようにすると式(25)は
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- ・・・・(27)
と書き直されます。ここでを用いれば
- ・・・・(28)
と書くことが出来ます。
を最小にすることは、式の形からの最小値は0ですが、そのためには1から5までの任意のについて
が0になる必要があります。そのようなことが可能でしょうか? 私たちはすでに、1つの行には「1」は1つしか存在しない状態ではそれが可能であることを知っています。よって、を最小にすることが「1つの行には『1』は1つしか存在しない」という制約を課すことに等しいことが分かります。
同様に考えて、「1つの列には『1』は1つしか存在しない」という制約は、
- ・・・・(29)
で定義されるを最小にする、ということになります。「1つの行には『1』は1つしか存在しない」という制約と「1つの列には『1』は1つしか存在しない」という制約は同時に満たすことが出来るので、を最小にする、ということは、「1つの行には『1』は1つしか存在しない」という制約と「1つの列には『1』は1つしか存在しない」という制約を満たすニューロンの出力パターンを見出すことになります。
あとはに、「訪問する場所間の距離の和が最小」という条件を表す項を足せば、巡回セールスマン問題を表すエネルギーを得られることになります。