n次元の超球の体積

n次元の超球の表面積」で表面積が明らかになりましたので、ここから体積を求めることが出来ます。


2次元の場合、円周の長さL

  • L=2\pi{r}

であるのをr積分すれば円の面積S

  • S=\pi{r}^2

と求まるように、3次元の場合、球の表面積S

  • S=4\pi{r}^2

であるのをr積分すれば、球の体積V

  • V=\frac{4}{3}\pi{r}^3

と求まるように、n次元の超球の表面積S_n(r)

  • S_n(r)=\frac{2\pi^{n/2}r^{n-1}}{\Gamma\left(\frac{n}{2}\right)}・・・・(22)

r積分すれば、それが超球の体積V_n(r)になります。


式(22)を実際にr積分すると

  • V_n(r)=\frac{2\pi^{n/2}r^n}{n\Gamma\left(\frac{n}{2}\right)}+C

となります。ここでC積分定数です。ところでV_n(0)=0のはずですから結局、積分定数Cはゼロになります。よって

  • V_n(r)=\frac{2\pi^{n/2}r^n}{n\Gamma\left(\frac{n}{2}\right)}・・・・(23)

となります。ここで「ガンマ関数」の式(6)(ここでは式の番号を振り直して(24)とします)

  • \Gamma(x+1)=x\Gamma(x)・・・・(24)

を用いれば、

  • \Gamma\left(\frac{n}{2}+1\right)=\frac{n}{2}\Gamma\left(\frac{n}{2}\right)

よって

  • n\Gamma\left(\frac{n}{2}\right)=2\Gamma\left(\frac{n}{2}+1\right)・・・・(25)

となります。この式(25)を(23)に代入して

  • V_n(r)=\frac{\pi^{n/2}r^n}{\Gamma\left(\frac{n}{2}+1\right)}・・・・(26)

となります。これでn次元の超球の体積を求めることが出来ました。