確率論

ベイズの確率論の勉強(2)

史上最強図解 これならわかる!ベイズ統計学作者: 涌井良幸,涌井貞美出版社/メーカー: ナツメ社発売日: 2012/02/21メディア: 単行本購入: 19人 クリック: 40回この商品を含むブログを見る ベイズの確率論の勉強(1)の続きです。 今度は、最初の例題の条件…

ベイズの確率論の勉強(1)

知人からこの本 史上最強図解 これならわかる!ベイズ統計学作者: 涌井良幸,涌井貞美出版社/メーカー: ナツメ社発売日: 2012/02/21メディア: 単行本購入: 19人 クリック: 40回この商品を含むブログを見る を貸してもらい、今、ベイズの理論というのを勉強し…

一様分布の標準偏差

ちょっと、一様分布の標準偏差を計算する必要が出てきたので、ここにメモです。今まで書いていた[ニューラルネットワーク]の話とはまったく関係ありません。 からまでの一様分布を考えます。 まず、この分布の確率密度を求めます。確率密度をで表すとすると…

n次元の超球の体積

「n次元の超球の表面積」で表面積が明らかになりましたので、ここから体積を求めることが出来ます。 2次元の場合、円周の長さが であるのをで積分すれば円の面積 と求まるように、3次元の場合、球の表面積が であるのをで積分すれば、球の体積が と求まる…

n次元の超球の表面積

「4次元の超球の表面積」では4次元の超球の表面積を求めました。では5次元の超球の表面積は求められるでしょうか? 4次元の極座標を考えるだけでも大変だったのに5次元になるともっと大変そうです。ところが「4次元の超球の表面積」を見直すと別の計算…

4次元の超球の表面積

「ガンマ関数(5)」で ・・・・(1) の計算をする際にから極座標に置換えて計算しましたが、よく考えるとの部分はにだけ依存するので、これに半径の球の表面積の1/8を掛けてやり、それをで積分すれば式(1)を計算したことになります。なぜ球の表面積の1…

ガンマ関数(5)

「ガンマ関数(3)」では ・・・・(12) を計算するのに、を考え ・・・・(13) として座標と座標を持つ2次元空間で考えましたが、この考えを3次元空間に拡張してみます。すると ・・・・(25) となります。「ガンマ関数(3)」で見てきたようになので式(25…

ガンマ関数(4)

「ガンマ関数(2)」では ・・・・(8) を計算するために、とおいて式(8)を変形して の形にして計算しました。これを拡張して ・・・・(1) でとおいてみるとどうなるかみてみましょう。まずになります。式(1)は ・・・・(17) となります。ここでとおくと。よ…

ガンマ関数(3)

「ガンマ関数(2)」の式(10) ・・・・(10) の証明は確率・統計の教科書や物理学の教科書によく載っていますが、ここにも書いておきます。以下がその証明です。 まず ・・・・(12) と置きます。すると ・・・・(13) ここでを直交座標と考え、これを下図のよ…

ガンマ関数(2)

「ガンマ関数」の補足です。 ・・・・(1) で定義されるガンマ関数は、が自然数の場合は、 ・・・・(7) となるのは「ガンマ関数」の式(2)で示しましたが、ここではの値を求めます。定義式(1)から ・・・・(8) ここでとおきます。すると。よって式(8)は ・・・…

確率変数の和の個数の分布

ある現象が繰り返し発生するとします。その現象は、前に起きた時刻からある確率分布に従う時間後に次の発生があるものとします。そしてその確率分布は変わらないものとします。現象のある発生から次の発生までの間隔を確率変数で表すことにします。時刻の時…

ブラウン運動

1.ランダムウォーク ブラウン運動はランダムウォークの極限として得られます。そこで最初はランダムウォークの簡単な説明から致します。・・・・ 2.ランダムウォークからブラウン運動へ ランダムウォークのグラフの縦軸と横軸を縮小してブラウン運動のグ…

ブラウン運動――4.ドリフトのあるブラウン運動

目次へ 前回まで検討してきたブラウン運動は、平均、標準偏差のブラウン運動でした。このブラウン運動は時間が経過しても平均が変化しないブラウン運動です。今回は時間の経過とともに平均が線形に増えていく(あるいは減っていく)ブラウン運動を検討します…

ブラウン運動――3.ブラウン運動の微分方程式

目次へ 今度は、の時の点の位置が任意であり、標準偏差がであるようなブラウン運動が満たす微分方程式を求めます。この微分方程式はあとで示すようにの時の点の位置が確率密度関数で与えられる場合にも満足します。 もう一度、前回に考えたランダムウォーク…

ブラウン運動――2.ランダムウォークからブラウン運動へ

目次へ 図1 図1のようなランダムウォークのグラフの縦軸と横軸を縮小してブラウン運動のグラフを得ます。しかし、縦軸と横軸を同じスケールで縮小すると、ただののグラフになってしまいます。というのは式(5)から となり、横軸を1/100に縮小しても、…

ブラウン運動――1.ランダムウォーク

目次へ これからブラウン運動の数学的モデルについて説明します。 1.ランダムウォーク ブラウン運動はランダムウォークの極限として得られます。そこで最初はランダムウォークの簡単な説明から致します。 ランダムウォークは1回ごとに次にどちらに進むの…

ポアソン分布とアーラン分布の関係

「ポアソン分布」で示したようにポアソン分布の式は ・・・・(1) でした。一方、「アーラン分布」で示したようにアーラン分布の式は ・・・・(2) でした。この2つの式は非常に似ています。よく調べてみると ・・・・(3) という関係にあることが分かります。…

Excelで確率変数を実現する方法(3)

「Excelで確率変数を実現する方法(2)」の続きです。 指定された値の平均と2乗変動係数を持つガンマ分布に従う確率変数をExcelで実現する方法を示します。平均を、2乗変動係数をで表すことにします。すると変動係数の定義により、標準偏差は ・・・・(1)…

Excelで確率変数を実現する方法(2)

「Excelで確率変数を実現する方法(1)」の続きです。 ある確率密度関数を持つような確率変数をExcel上で発生させるには 1.累積確率関数を求める。 2.その逆関数を求める。 3.上で求めたののところに「RAND()」を入れた形のExcelの数式をExcelのセル…

Excelで確率変数を実現する方法(1)

Excelで確率的な振る舞いをシミュレートするには、確率変数を作り出す必要があります。Excelには0から1までの一様分布に従った乱数を発生させる関数RAND()がありますので、これを利用します。ある確率変数が0から1までの一様分布に従う確率変数であると…

流れの分岐(別解)

では、「不定個の同一分布独立確率変数の和の平均」で求めた式(7)(ここでは式(1)と番号を振り直します) ・・・・(1) と「不定個の同一分布独立確率変数の和の分散」で求めた式(8)(ここでは式(2)と番号を振り直します) ・・・・(2) を使って以下の問題を…

不定個の同一分布独立確率変数の和の分散

「不定個の同一分布独立確率変数の和の平均」での考え方を応用して、今度は分散を計算してみます。 同じ分布を持つ独立な確率変数が個あり、それらを(ただし)で表すことにします。また、自身も確率変数であるとします。これらの確率変数の和を考え、それを…

条件付き期待値の定理(2)

では昨日の「条件付き期待値の定理」での ・・・・(1) の証明をを、が連続確率変数の場合に拡張します。 条件確率の定義により [tex:Pr\{y{\le}Y ここでの確率密度関数 [tex:f(y)=Pr\{y{\le}Y を考えます。さらにという条件下でのの確率密度関数 [tex:f(y|N=…

条件付き期待値の定理

先日の「不定個の同一分布独立確率変数の和の平均」のところの式(6)(ここでは番号を振り直して式(1)とします) ・・・・(1) がなぜ成り立つのかの説明が不十分だったような気がしました。ここで補足を入れます。 「不定個の同一分布独立確率変数の和の平均…

不定個の同一分布独立確率変数の和の平均

同じ分布を持つ独立な確率変数が個あり、それらを(ただし)で表すことにします。これらの確率変数の和を考え、それをで表します。つまり ・・・・(1) です。が固定の値である場合、の平均を求めることは、「同一の確率分布を持つ独立な複数の確率変数の和の…

アーラン分布の再生性

ある分布の集合に属する2つの確率密度分布を持つ互いに独立な確率変数、を考えた時に、確率変数の確率密度分布が同じ分布に属する場合、その分布は再生性を持つ、と言います。 ここでは、同じを持つアーラン分布が再生性を持つことを示します。つまり、アー…

αとβと平均と標準偏差

「[ガンマ分布の平均と標準偏差]」では、ガンマ分布のαとβと平均と標準偏差を ・・・・(1) ・・・・(2) と示しました。ここでは記述を簡単にして平均を、標準偏差をで表すことにします。そうすると式(1)(2)は ・・・・(3) ・・・・(4) になります。ここから…

ガンマ分布の平均と標準偏差

これからガンマ分布の平均と標準偏差を求めたいと思います。アーラン分布では「アーラン分布」で述べたように、その確率密度関数が ・・・・(1) であるようなアーラン分布の確率変数の平均値は ・・・・(2) 標準偏差は ・・・・(3) でした。「ガンマ分布」で…

ガンマ分布

「ガンマ関数」でガンマ関数を取り上げたのは、ガンマ分布を紹介するためです。ガンマ分布はアーラン分布を一般化したものです。「アーラン分布」で述べたように、アーラン分布は自然数と正の実数の2つのパラメータによって決まる分布で、その確率密度関数…

ガンマ関数

ガンマ関数は、正の実数について ・・・・(1) で定義され、階乗を実数に拡張したものです。具体的に言いますと正の整数について ・・・・(2) が成り立つ、ということです。では、このことを確かめておきます。 よって ・・・・(3) 一方、 なので、…