天村雲命

また、脱線するのですが、2006-12-30に紹介した山本ひろ子著「中世神話」について、ちょっと意見です。伊勢神宮の外宮の神主の渡会氏の祖先神が天村雲命になっているのは、尾張氏か額田部氏の系譜からおそらく借りてきた虚構であろう、とこの本では述べられていますが、ただの虚構には思えない部分があります。それは先代旧事本紀天孫本紀に書かれている尾張氏の系譜ですが、そこでは天村雲命の父は天香語山命になっていますが、さらに天香語山命の別名として高倉下命が書かれています。それだけでは何ということはないのですが、外宮の後ろにひかえる山の名前は高倉山で、この山が大和の天香具山とほぼ同一緯度にある、ということです。これは外宮と天香具山に何らかの関係があり、天孫本紀とも本来から関係があったのではないのでしょうか?