日本神話
出雲国風土記を読んで私なりに復元したオオナモチの物語は以下のようなものです。これが正しい復元などとは思いませんが、このようにあれこれ考えるのもおもしろいと思います。 兄弟の八十神(やそがみ)たちにいじめられ、いいようにコキ使われていたオオナ…
例えば、出雲国風土記には次のような記事があります。 屋代の郷(さと)。天(あめ)の下(した)造(つく)らしし大神(おほかみ)の垜(あむづち)立てて射たまひし処なり。故(かれ)、矢代といふ。 屋代の郷(さと)。天の下(=地上)をお作りになった…
風土記の魅力(1)で紹介しました八束水臣津野命(やつかみず・おみずの・の・みこと)という神様は日本書紀にはまったく登場せず、古事記には名前が1回だけ登場する神様です。それはスサノオからオオクニヌシに至る系譜を述べるところで、以下の箇所です。…
出雲国風土記から この土地を意宇(おう)と名前をつけたいわれは、次のようなものでした。 八束水臣津野命(やつかみず・おみずの・の・みこと)が 「八雲立つ出雲の国は狭い布のような若い国だなあ。国を小さく作ったものだ。だから、作って縫い上げよう」…
風土記の世界 (岩波新書)作者: 三浦佑之出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2016/04/21メディア: 新書この商品を含むブログ (5件) を見る風土記というのは若い頃から興味があって、自分の本棚の中には岩波の日本古典文学大系の風土記があります。風土記は読む…
次は、美多羅志(みたらし)神社に向かいました。 見えてきました。本当はバイクとか、車とか、台車を押すお婆さんとかいたのですが、そういうのは写真に撮っていません。 美多羅志神社に着きました。八幡神社には数年前にも行ったことがあるのですが、ここ…
この八幡神社は、答志島の人々の崇敬を大変受けています。その証拠(っておおげさか・・・)になるようなリンクを2つ紹介します。 ひとつは、答志島の答志と和具の中間にある旅館「やま七」のホームページです。旅館の女将(はるちゃん)が動画で答志島の見…
「答志島にはワカヒルメのミコトが住むか?(9)」の続きです。 その後、もう一度、答志島に行きたかったのですが、梅雨の間は天気が悪くて行けず、夏は夏でとても暑かったので行けず、9月はまた、休日のたびに雨になり行けず、で、やっと今日、行くことが…
神島のゲーター祭だけで、「答志の淡郡(あはのこほり)」の「淡(あわ)」や「粟嶋(あはしま)」の「粟(あわ)」を「太陽」の意味である、とするのは性急かもしれません。しかし、私は「あわ」を「太陽」という意味に解することで、ひとつ疑問が解けるこ…
もう、この話題で書くのはやめようと思った矢先に、この話題に関する新たなヒントを思い付いてしまいました。 それは神島のことです。神島は、この海域にあり、答志島と伊良湖岬の間に位置しています。 三島由紀夫の小説「潮騒」の舞台のモデルになったとこ…
私は書いているうちに、この伊射波(いざわ)神社こそ自分の探していたワカヒルメのミコトのお社(やしろ)だと思えてくるようになってきたのですが、ここで、伊射波神社がそうであると思える理由と、そうでないと思える理由をまとめておきましょう。 伊射波…
岩波文庫の日本書紀の補注では、「田節(たふし=答志)の淡郡(あはのこほり)にをる神=ワカヒルメのミコト」の社(やしろ)を、三重県志摩市磯部町上之郷にある伊雑宮(いざわのみや)と推定しているというお話をしました。実は、この伊雑宮(いざわのみ…
私は今まで答志島にワカヒルメのミコトの聖地があったように推測を進めてきましたが、岩波文庫の日本書紀の補注ではそのような推定がなされていません。日本書紀〈2〉 (岩波文庫)作者: 坂本太郎,井上光貞,家永三郎,大野晋出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1…
今まで述べてきたように、私の勝手な想像では、答志島は太陽の女神ワカヒルメのミコトの君臨する聖なる島であり、そこは太陽が若返って昇る地であり、若返りのための神事が海草(たぶんワカメ)を用いて行われた地であり、西暦692年、持統天皇が伊勢に行幸し…
神功(じんぐう)皇后に神がかった神は4柱で、その2番目に出てきたのが「答志の淡郡(あわのこおり)にいる神」だということですが、これだけではこの神がいずれの神なのか分かりません。日本書紀〈2〉 (岩波文庫)作者: 坂本太郎,井上光貞,家永三郎,大野晋…
答志島の名は、日本書紀にも登場します。仲哀(ちゅうあい)天皇と神功(じんぐう)皇后のところです。仲哀天皇というと、もう神話伝説の時代に入り、実在したのかどうかも分かりません。さて、どのような場面で答志島の名が登場するのかをこれからお伝えし…
九鬼水軍の歴史を持つ答志島ですが、もっと昔から栄えていたらしく、島内には17基の古墳が発見されているそうです。その中でも代表的なのが岩屋山古墳と蟹穴古墳です(これらの古墳の推定年代をネットで検索したのですが、見つかりませんでした)。 このよ…
日本の神々 (岩波新書)作者: 谷川健一出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1999/06/21メディア: 新書購入: 5人 クリック: 24回この商品を含むブログ (15件) を見る 記述がさらっとしているので、そのまま読んでいると重要なことを見落としてしまいそうでこわい…
日本の神々 (中公新書 (372))作者: 松前健出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 1974/09メディア: 新書この商品を含むブログ (4件) を見る この本を全部読もうという意図はなく、今、自分が気になっている天照御魂(あまてるみたま)という神について情報を…
この天村雲命については先代旧事本紀ではなく、伊勢神宮関係の文書によって神話が伝えられています。これについてはすでに「上御井(かみのみい)神社」でご紹介しましたが、もう一度、ここに掲載します。ここに引用するのは 山本ひろ子氏の「中世神話」 中…
ひさびさに、「天火明命(あめのほあかりのみこと)(5)」の続きを書きます。尾張の神話の痕跡を求めて私が調査した内容です。 さて、古事記や日本書紀、さらに先代旧事本紀によれば、天火明命(あめのほあかりのみこと)の息子が天香語山命(あめのかごや…
伊勢神宮の謎を解く アマテラスと天皇の「発明」 (ちくま新書)作者: 武澤秀一出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2011/03/09メディア: 新書購入: 3人 クリック: 24回この商品を含むブログ (10件) を見るオビには「なぜ二つの御神体がまつられたのか?」とあり…
天の火明の命が天降りした山を探すヒントは、先代旧事本紀に載っている尾張の連(むらじ)の系譜にありました。先代旧事本紀は、日本書紀と同じように天の火明の命の息子のひとりに天の香語山(カゴヤマ)の命を挙げていますが、先代旧事本紀では天の香語山…
昨日書いた「佐美長神社」の記述の補足です。佐美長神社そのものの説明ではありませんので、そのようなものを期待される方は以下を読む必要はありません。 ヒナガ姫 古事記でヒナガ姫が登場する場面を抜き書きしておきます。 垂仁天皇の御子のホムチワケのミ…
天の火明の命はどこの山にどのように降りたのか、そのことを考え続けていたある年、確か愛知県一宮市の真清田(ますみだ)神社にお参りした時の神社のパンフレットだったと思うのですが、そこに「天の火明とは天の穂明でもある」というようなことが書かれて…
天の火明の命の、天上から地上への降臨の神話(要するに天降り)が載っている先代旧事本紀は、扱いの難しい本です。この本の序文には聖徳太子と蘇我馬子が編纂したと書かれていますが、本文のほとんどが日本書紀と古事記の引き写しから成り立っています。一…
「天火明命(あめのほあかりのみこと)(1)」では記紀の記述の異同を示して複雑でしたが、まとめるとこういうことになります。 「天火明命」という表記と「火明命」という表記がある。 「天火明命」という表記の場合は(皇室の祖先である)ニニギの命の兄…
私は尾張(愛知県西部)に生まれ育ったので、そこの神様には興味があります。尾張にはあまり神話のようなものは残っていないのですが、その痕跡をさぐってみたいと、何十年も前に思っていました。それほどうまく探し当てたわけではありませんが、自分が探っ…
日本の歴史〈1〉神話から歴史へ (中公文庫)作者: 井上光貞出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2005/06/01メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 11回この商品を含むブログ (18件) を見る 私の本棚を上から下へずっと見てきたのですが、ここから並んでいるの…
古代史の真相 (PHP文庫)作者: 黒岩重吾出版社/メーカー: PHP研究所発売日: 1996/10メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 4回この商品を含むブログ (1件) を見る たまにはこっちのジャンルも書いておいたほうがよいと思って・・・・。最近は待ち行列ネットワー…