東欧革命

このカテゴリーでは、私の本棚の中にある本を紹介します。

東欧革命―権力の内側で何が起きたか (岩波新書)

東欧革命―権力の内側で何が起きたか (岩波新書)

1993年に買ったこの本をまた引っ張り出して読んだのは、テレビでフセインイラク大統領を慌しく死刑に処したニュースを見ていて、ルーマニア革命当時のチャウシェスクの裁判(裁判という名に値しない裁判)のことを思い出したためです。しかし、この中の「四 バルカン宮廷革命(ブルガリア)」のところを読んでいて、当時の話ではなく、最近のウェブ2.0の動向と重ねて考えるところがありました。それは当時の政府の人々の中で中央統制体制の考えから抜け出せない人、共産党は温存しながらコントロールを弱めようとする人、これを機に現政権の追い落としを図る人、それらの人々の思惑を越えて進む事態の推進力の強さ、などです。ウェブによる人々の意識や社会の変化もこのようなドラマを展開するのだろうか、と思いながら読みました。