コンスタンティノープル千年
コンスタンティノープル千年―革命劇場 (1985年) (岩波新書)
- 作者: 渡辺金一
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1985/06/20
- メディア: 新書
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ビザンツ皇帝制度を、いわゆる「オリエント的デスポティズム」vs「ギリシア・ローマ的デモクラシー」という図式で説明することが、いささか見当ちがいなことがはっきりすると思う。いや、この対句は、ビザンツ皇帝制度を理解するには、むしろ躓きの石となりかねない。必要なのは、こんな大まかな分類ではなく、もっと厳密で、きめのこまかい区別だてである。たとえば、ビザンツ人の意識のなかで、果して、国家と皇帝との間に、はっきりしたけじめが設けられていたかどうか、というが如き。この点、いくつもの史料を見ていくと、どうしても、けじめがあったとしか思えないという結論しか出てこない。
この引用した箇所は私のそれまでのビザンチン像を修正させた箇所です。