第2章 利益的貢献 の内容

(カッコ内の数字はこの本のセクションの番号です。)
1998/6/25(5)
スコットマギーピエルコ社のCEOクレイグから呼び出された。クレイグが言うには、昨日の取締役会で、ERPシステムを導入して利益がどれだけ上がったのか、とつるし上げられた。その答が分からない。スコットとマギーに答を出してくれ、とのこと。
1998/7/5(7)
夜中にスコットは考える。

 市場の需要を満たすには、新しい機能を次々と追加していかなければいけない。その結果、システムはどんどん複雑になっていく。しかし満足のいくサービスを顧客に提供するには、シンプルなシステムが要求される。ジレンマは明白だ。相手が大企業であろうと、中規模の企業であろうと同じだ。
 問題は市場にもある。こちらもはっきりしている。それなりのマージンを得るためには、大企業を中心に販売しなければいけない。しかし残っている大企業には限りがあるので、これまでの販売高を維持するには、中規模の企業を相手に販売していかなければいけない。市場のジレンマも明白だ。しかし、こちらのジレンマも製品が複雑になろうがなるまいが変わりはない。

1998/7/14(8)
マギー達は、ピエルコ社についてERPシステム導入を正当化するだけの金銭的メリットを何とか見つけ出すことが出来た。それらは以下の通り。

  1. 在庫削減
  2. 原材料仕入れの統合によるコスト削減
  3. 欠品減少による売上げの増加
    • これは2%というわずかなパーセンテージであったが、ピエルコ社は大企業なので、それでも年間2億ドルにあたる。でも、中小企業だったらどうなるのか? これが第3章に続く話題になります。)