ロットサイズとセットアップ時間の関係

  • 多くの半導体製造装置の場合、セットアップ(=段取り)が必要になるのはその装置のレシピ(処理条件のこと)あるいはレシピのファミリーが変わる時です。ここでは単純化して、レシピが変わる時にセットアップが必要であるとします。ロット(=ジョブ)はそれぞれその装置群(=ステーション)について予め指定されたレシピを持っているとします。そしてセットアップは装置がロットを処理する際、そのロットのレシピが、1つ前に処理したロットのレシピと異なる場合に必要になる、とします。 また、どのレシピを持つロットが、装置群に到着するかはランダムで、各レシピを持つロットが到着する確率は、ロットサイズに依存せずに一定であると仮定します。
  • もし、ロットの到着順に装置がロットを処理するとすれば、1つ前に処理したロットのレシピと異なるレシピを持つロットに出会う確率は、上の仮定からロットサイズに関係しないことになります。セットアップから次のセットアップまでの平均ロット数N_sはいくつであるかは、各レシピのロットに出会う確率に依存し、その頻度の算出は難しいですが、その確率がロットサイズに依存しないので
    • セットアップから次のセットアップまでの平均ロット数N_sはロットサイズに影響しない
  • と言えます。(下図参照)
  • よって、1回の平均セットアップ時間をt_sとすると、1ロットあたりのセットアップ時間は、t_s/N_sになり、これはロットサイズの変化の影響を受けないことになります。つまり、以下のように言えます。
    • セットアップ時間はロットサイズに無関係
  • しかし、上記の諸仮定の妥当性を検討する必要があります。特に、ロットの到着順に装置がロットを処理するやり方というのは、セットアップ時間が長い場合には、非効率的なやり方です。これについては、別途検討できれば、と考えております。