番外編:Factory Physicsとの出会い

番外編として、私がどのようにFactory Physicsに出会ったか、という話を紹介いたします。
私のFactory Physicsとの出会いは2回あります。1回目は2000年か2001年、私が前の会社にいた頃、私の元上司からこの本を紹介されました。その当時はこの本は私にとって大量の英語の塊にすぎず、グラフを見ながら、たぶん、こんなことを書いているのだろうなあ、読みたいなあ、でも英語は読みづらいなあ、などと思っていて、そのままになってしまいました。
2回目の出会いは、2003年、ISSM(あるいはhttp://www.issm.com/)(International Symposium of Semiconductor Manufacturing:半導体製造国際シンポジウム)に参加した時、(当時も今も私は英語のヒアリングが不得意な私ですが)、私の論文発表を聞いていた国立台湾大学の某教授から「君のやろうとしていることはFactory Physicsなんだから、Factory Physicsを読みなさい」と忠告されたことです。
この2回目の出会いのあと、ISSMの論文の内容や論文の末尾に引用されている参考文献から私は、私だけでなくどうも日本の半導体業界でもこの本はあまり知られていない、その反面、USAはもちろん、台湾、中国でも知られているらしい、と推測しました(「Factory Physicsを引用している論文」を参照)。私はそのことに個人としてよりももう少し大きな立場でイラ立ちを覚えました。そしてしばらくの逡巡と試行錯誤のうちに、これを日本に、特に日本の半導体業界にはやらせることを決心しました。最初は、自分にも見返りが来る方法で、はやらせようと思ったのですが、なかなかうまくいきませんでした。それで、もうボランティアでいこう、と決心したところに、梅田望夫氏の「ウェブ進化論

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)

と出会い、これだ(=ブログだ)、と思ったわけです。

最初は自信がなかったのですが、やっていくうちに、このエントリーに熱心にアクセスして下さる何人かの方々がみえることをログ解析から知り、「これで日本にFactory Physicsを少しでも広めることが出来た」という実感を得ることが出来ました。
著作権の問題があるので、これ以上の内容紹介ははばかられますが、Factory Physics(とTOC)を基にした私自身の考察を今後とも発信し、そこから間接的にFactory Physicsの重要性をアピールしていきたいと考えております。