半導体サプライチェーンにおけるフォワード階層ベースの在庫モニタリング

ＩＳＳＭのこのページに載っている摘要のうち、いくつかを訳すことがおもしろくなってきました。今日は、国立台湾大学の論文の摘要です。

SC O SC-O-140
Forward Echelon-based Inventory Monitoring in Semiconductor Supply Chain
Ruey-Shan Guo
National Taiwan University
The goal of this research is to develop a forward echelon-based inventory monitoring scheme based on the concept of echelon WIP inventory and CONWIP system. The first step in the proposed scheme is to construct a forward echelon-based model with the goal of minimizing the echelon WIP inventory control limits under target service levels. Next, this two-echelon model is solved by a proposed algorithm. The proposed scheme has been validated through simulation study. Based on the simulation validation results, conclusions are drawn as follows:
1) The proposed algorithm can derive the forward echelon-based WIP inventory limits effectively;
2) Compared to the traditional stage-based inventory monitoring scheme, the proposed forward echelon-based inventory monitoring scheme can obtain a higher service level with lower inventory levels.

SC O SC-O-140
半導体サプライチェーンにおけるフォワード階層ベースの在庫モニタリング
Ruey-Shan Guo
国立台湾大学
この研究の目標は、階層ＷＩＰ在庫の概念とＣＯＮＷＩＰシステムに基づくフォワード階層ベース在庫モニタリングのスキームを開発することである。提案するスキームの第一ステップは、目標サービスレベルの下で階層ＷＩＰ在庫管理限度を最小にすることを目的としてフォワード階層ベースモデルを構築することである。次に、この２階層モデルは、提案するアルゴリズムによって解かれる。提案するスキームは、シミュレーション・スタディによって有効性が確認された。シミュレーションでの確認結果に基づいて、以下の結論が導かれた。

提案するアルゴリズムは、フォワード階層ベースＷＩＰ在庫限度を効果的に導き出すことが出来る。

従来のステージベース在庫モニタリング・スキームと比較して、提案するフォワード階層ベース在庫モニタリング・スキーマは、より少ない在庫量でより高いサービスレベルを得ることが出来る。

私はサプライチェーンについてほとんど知識がありません。しかし、在庫と関係するのであれば、[ファブ内物流の論理を求めて]の範囲にも入ってくるかもしれません。（「ＩＳＳＭ論文の追加情報」参照）。もうひとつ私が注目するのはこのような研究を発表しているのが台湾の大学である、ということです。日本の大学で研究されている方々もきっとみえると思うのですが、半導体業界と結びついていないのではないのでしょうか？
さて、１１月１２日（月）にＩＳＳＭの日本報告会（案内はこちら）がありますが、そこでは日本人の論文しか紹介されないため、残念ながらこのような領域の論文発表はひとつも聞くことが出来ません。（07/11/15　訂正します。急遽スケジュールが変更され、当日は松下の「ロット処理におけるデータ収集と装置処理時間見積りの方法」[The Methods of Data Collection and Tool Processing Time Estimation in Lot Processing]の発表がありました。）