第19章 総合。全てをまとめる。 の概要

この章は、Factory Physicsの諸法則を組み合わせて問題を解決することを扱う。Factory Physicsの諸法則と諸公式は、なぜ、ある環境である方法がうまくいくのかについての直感を構築し、特定の諸方針を評価し比較することを助けることが出来る。しかし、それらを使って「何を」するかを決定するのは利用者である。よって、Factory Physicsの可能性を完全に利用するためには、それをシステム分析の枠組みの中で使用することが大切である。
複雑な製造システムをふるいにかけ、最も重要な局面を取り出す基本的なツールは、パレートの法則であり、80−20ルールとしても知られている。パレートの法則を用いて一旦システムが管理可能なレベルまで単純化されたならば、次にFactory Physicsの諸法則を利用する。
この章の大部分をFactory Physicsの諸法則を使って工場を改善する小説仕立ての話が占める。その雰囲気を示すためにごく一部を以下に引用する。

「私の見方からすると、CONWIPと納期回答は80%ぐらいのキュー時間縮小をもたらした。処理時間と搬送時間はけっして大きくなかった。マッチ待ち時間はセル内では適用されない。だから、扱うべき唯一の残りのエリアはバッチ待ち時間よ。」 キャロルは腰をおろした。
エド、モデルで使っている搬送バッチ・サイズはどれだけなの?」
「工場で使っているやつだよ。それらは平方根公式を使って計算されたと思うよ。なぜ?」
「だからバッチ・サイズは搬送バッチと処理バッチの両方について同じなの?」
「『搬送バッチ』と『処理バッチ』ってどういう意味?」ジェーンが尋ねた。「そんな用語を使っているのを聞いたことないわ。」
「それがたぶん問題なんだ。」クロードが答えた。「処理バッチはセットアップとセットアップの間にいくつパーツを流すかだ。搬送バッチは次の工程に一度にいくつ運ぶかだ。それらは同じである必要はない。」
「なぜそれを考えなかったんだ!」 エドが椅子をうしろにすべらせ始めた。「もしわれわれが処理バッチ・サイズをそのままにしておき、しかしセル内の全ての搬送バッチを1にしたら何が起きるか見させてよ。」
「待って。話を確認させて」エドが出て行く前にジェーンが呼び止めた。「たとえばハブ1について、他のハブに切り替える前に私たちが40個処理するけど処理が終わると出来るだけすぐにそれらを1度に1個ずつ運ぶ、ということを言っているの?」
「その通り!」


Factory Physics 第19章 総合。全てをまとめる」より。

最後にこの章はFactory Physicsの総括を示す。 これについては「Factory Physicsとは何であるか?」を参照。


第18章 キャパシティ管理 の概要 に戻る
Factory Physicsの概要へ