How Factory Physics helps simulation:1.導入


上位エントリー:Charles R. Standridge: How Factory Physics helps simulation 概要

解析的モデルとシミュレーション・モデルは、一般のシステムと同様に特に生産システムの振る舞いを説明し理解するための2つの方法である。解析的モデルは数学的形式で表現された、システムのコンポーネント間の関係を含む。解析的モデルの構築はしばしばあらかじめ定義した構造へのシステムの概念化と若干の詳細の省略を含む。そのようなモデルの解は通常、長期間のあるいは定常状態の平均の振る舞いに関する情報を生成する。解析的モデルとその解は、たとえさらに情報が必要であろうと、システムの構造と動作に関する有用な情報を得るための、少なくともスタート点を提供する。これらのモデルはシステムの挙動を支配する、あるいは少なくともそれに影響を与える、因果関係に対する明らかな数学的洞察を得る際に役立つ。
 シミュレーション・モデルは時間の経過につれてのシステムの挙動を追跡する。それらは数学的関係と論理的関係(if-then-else:もし〜ならば〜さもなければ〜)を含み得る。シミュレーション・モデルは動作の詳細を精密に正しい時間に置き、それらの過渡的効果を観察することを可能にする。シミュレーション・モデルはシステム・パフォーマンスの計算可能な尺度を決定するのに使用することが出来る。シミュレーション・モデルはシステム挙動の全ての詳細を含むことが出来る。
 解析的モデルとシミュレーションモデルは各々、同じ種類のシステムを研究する際と同じ種類の課題を扱う際に使用出来る。解析的モデルは構築が迅速で正確な数学的解を生成する。シミュレーション・モデルは解析的モデルが収容できない詳細を収容できプロジェクトに特有の情報要求を満足することが出来る。
 よって、問題解決のためにシミュレーション・モデルと解析的モデルが一緒に使用されるような方法を調査することは有用である。解析的モデルと関連原則の1つの集合がHoppとSpearman (2000)によって開発されFactory Physicsと呼ばれている。これらの法則のいくつかは方程式として表現されているが他のものは生産システムがどのように動作するかについての一般的な原則を述べている。Factory Physicsの法則とシミュレーションを問題解決のために並行して使用することはこの論文の主題である。
 シミュレーション・プロジェクトを進める際に役立つことを経験が示した個々のFactory Physicsの法則が順番に議論される。シミュレーション・プロジェクト内部の各々の法則の使用例が与えられる。産業への適用の守秘義務によって制限されていない場合、数量的結果を示す。Factory Physicsの諸法則は、確認と検証やパフォーマンス尺度の選択、選択肢の選択、モデルの範囲を含むシミュレーション・スタディの多くの局面に影響を与えることが示される。


How Factory Physics helps simulation:2.材料保存の法則」に続きます。