(妄想)8月の星座

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  • この時期にしか見えないのが、今、南の水平線上にみえるさいだん座。この星座にまつわる話は通常知られていません。でも、帝政ローマ初期の占星術マルクス・マニリウスのアストロノミカという本には、こんな話が載っています。あれはギガンテス(巨人族)がオリュンポスの神々に反逆して立ち上がった時に、ゼウスが驚愕と恐怖のあまり知られざる神の加護を願って作った祭壇なのだと。・・・・何か、キリスト教の到来を思わせる記述だと思わない?
  • マルクス・マニリウスが生きていたのが初代皇帝アウグスゥス帝の時らしいのね。その時にはギリシア盛時と比べてだいぶ時代精神が変化していたんじゃないの? それから、おもしろいことは、このさいだん座の方向はほぼ銀河系の中心を向いているのね。正確にはいて座の方向だけれど、それほど違いはないでしょ? マニリウスの言うゼウスが祭壇を置き祈った方向は銀河系の中心の方向だったの。そこには何があるのかしら?
    • (しばし、太陽系から銀河の中心までに存在するであろう何億もの恒星、その中でも地球に似た惑星を持つであろう星々、あるいは私たちの想像を超えるだろう何かが存在する星々、多くの知的生命体について思いを馳せる。)

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  • (頭上を指差して)・・・・・オルフェウスは・・・
    • こと座のことですね。
  • トラキアの女たちに殺されてしまい、持っていた琴だけが天に昇りました。
    • どうして殺されたのですか?
  • 死んだ妻エウリュディケーのことが忘れられず、トラキアの女たちを相手にしなかったからなの。
    • こわい話ですね。
  • オルフェウスの琴の音は、荒れ狂う海も鎮めることが出来たから、ただの音楽家ではありません。アルゴナウタイ(アルゴ号乗組員)の英雄の一人よ。オルフェウスとエウリュディケーの話だけ聞くと軟弱なオトコのように見えるけど。
    • イアソンをリーダーにして黒海はコルキスまで、黄金の子羊の毛皮を求めていった話ですね。
  • その話はおひつじ座のところでします。今はおひつじ座は見えない。それから君の星座のことも話さないとね。いて座ケンタウロスのケイロン。彼はアキレウスの師傅でした・・・・・・