核時計零時1分前

昨日から読み始めたがおもしろい。前からキューバ危機についてもっと知りたいと思っていた。48年前にすでに核戦争の一歩手前までいっていたのであれば、それからの歴史なんか儲けもんの余生のようなもんだなと思う。


この本は分厚くて、時間を追っての叙述になっている。記述は丹念だが読みやすい。今、読んでいるところは、1962年10月22日(月)午後3時(ワシントン標準時)。ソ連キューバに極秘裏に建設していたミサイル発射基地がアメリカに発見され、それをアメリカが公式に発表しようとしているというニュースがモスクワに届いたところだ。

・・・その日は夕刻から、ホワイトハウスペンタゴンが妙に騒がしいという知らせがひっきりなしに入っていたが、やがてついに、大統領がネットワーク各局に特別番組枠を設けるよう要請したというニュースが飛びこんできた。「国家存亡にかかわる緊急事態」についてアメリカ国民に告知したいことがあるというのだ。放送時刻は東部標準時の午後7時と決まった。モスクワ時間では日付が変わったあとの午前2時だ。
 その電話を受けたとき、フルチショフはレーニン丘にある自宅の庭を散歩して戻ってきたばかりだった。彼がモスクワ川の屈曲部を見おろすこの場所を選んで居を構えたのは、モスクワ市のすばらしい眺めが楽しめるからだ。・・・・