核時計零時1分前(つづき)

今読んでいるのは、158ページ目で1962年10月24日(水)午前6時(ワシントン時間)。キューバ危機のクライマックスはブラック・サタデーと呼ばれる1962年10月27日(土)だそうだ。そこに近づくほど、この本の記述は詳細になっていく。

 ブラック・サタデーの理解に必要な背景知識を提供するため、わたしは、1968年刊行のロバート・ケネディ回顧録によって有名になった”13日間”の第1日目から、この物語を書きはじめることにした。危機の最初の一週間――JFKがフルチショフに出した最後の提案がテレビ放映されるまで、ワシントンで極秘の協議が重ねられた一週間――は、圧縮してひとつの章にまとめた。事態の進展が速まるにつれて、内容は詳しくなっていく。10月22日月曜日から26日金曜日までのできごとには6章を費やした。本書の後半では、この危機のクライマックスであるブラック・サタデーを分刻みで追い、10月28日日曜日の朝の最終決定までを描いた。