ファシズムの誕生:ムッソリーニのローマ進軍

残念ながら本の画像が出てこない。藤沢道郎氏の本はこのブログでは

を紹介してきましたが、それらとは違い、この本は大著です。「物語 イタリアの歴史II」のあとがきを書いておられる武谷なおみ氏によれば

ファシズムの誕生』(中央公論社 1987年)は、構想から15年以上の年月をかけて、54歳で発表された雄渾の作

であり、著者自身の言葉によれば

4年間のイタリア社会の歴史を書くのに六百数十ページを要した

ものです。著者の問題意識は

ファシズムに対する憎悪に目がくらんで、その本質的な特徴を見落とし、あるいは見誤り、単なる政治的反動や軍事独裁と混同し、政敵や憎たらしいものを何でもファシスト呼ばわりしていると、本当のファシズムが新しい装いで再び出てきたときに、正しく対処することはできないだろう。

というものです。そしてこの本の構成は以下のように説明されています。

現実の歴史の中で、ファシズムという現象がどのようにして生まれ、どのように成長し、どういう道筋をたどって権力に到達するのか。それを、歴史の論文としてではなく、単純素朴な事実をもって語らせようという意図である。
 そのために、個々の事実をできるだけそれが起こった時間の順に配列する「年代記」の形式に固執し、その一方で、ローマ進軍という事件に近づくにつれて時間の刻みを細かくする、非常に素朴な遠近法をほどこしてみた。


この本を読んだ感想はまた、別に書きます。時間がなくなってきたのでここまで。