17.5.センターの記述:Quantitative System Performance

17.4.客の記述」の続きです。(目次はこちら

17.5.センターの記述


 モデルの構造は主に構成に関する知識から決定される。
 Device Activity ReportとChannel Activity Reportは、かなり利用率が低いためにモデル内に含む必要のないシステム要素を明らかにするだろう。例えば、大規模実装の数百ものディスク・ドライブの中で、任意の観測期間においてそれらの25%未満が5%以上の稼動率を持っているというのが普通である。(我々の例のシステムでは、23台のディスクが5%以上の稼動率を持ち、一方133台のディスクは5%未満の稼動率を持っていた。) 明らかに、稼動率ゼロのどんなディスクもモデルから省略することが出来る。しかしさらに、稼動率が5%未満の全てのディスクの総体としての効果を表現するのに1個のディレイ・センターを用いることが出来る。このディレイ・センターでのクラスのサービス要求時間は、これら全てのディスクでのそのクラスに帰せられるビジー時間の合計を、そのクラスについての総要求完了数で割ったものとして計算される。そのような総体はモデルを「手動で」構築する際に引き起こされる作業の量を削減する。稼動率が5%未満のリソースでは待ち時間はあまりないので、ほとんど誤差は導かれない。セクション16.2.4で記述したように、測定データからパラメータの値を得るためにプログラムを使用する時には、全てのデバイスを、それらの稼動率がどれほど小さいかにも係わらず表現することが最も簡単である。
 第10章で推奨したように、ディスク・チャネルは我々の例ではパス競合を反映するためにディスク・サービス要求時間を「水増し」させることによって表現される。他のチャネルは明示的に表現されるが、それらが接続しているデバイスは表現されない。他のデバイス(例えばテープ)がディスクと同等の詳細さで扱う必要がない理由は、それらはチャネルと独立な同じ並行活動の能力を持っていないということである。ユニット・レコード・デバイスとそのチャネルは、スプーリングによってそれらの活動が他の処理と完全にオーバラップ可能になるので、モデルから省略される。他の若干の稼動率の低いチャネルは省略されるか、類似の理由から1つのディレイ・センターの一部として表現されるであろう。

:モデル構成


17.6.サービス要求時間(1)」に続きます。