ザ・クリスタルボール ゴールドラット

日曜日に図書館から借りてきて、昨日の出張の電車の中で一気に読み終えました。サプライチェーンの基礎となる考え方を小説を通して学ぶ、といった感じの本で、ストーリーがたくみで読み易いです。
ただ、何人かがアマゾンの書評で書いていたように、ここで提示されるソリューション自体は、今までゴールドラットの本を読んできた人には目新しいものではありません。どんなソリューションであるかはここでは述べませんが、似たような話は「ザ・チョイス」

にも書かれていましたし、もっとさかのぼると「ザ・ゴール2」

にも出てきたと記憶しています。Factory Physicsの体系でいけば変動の集約という概念です。しかしそれを一つのお話としてグイグイ読ませる手腕はさすがだと思います。


中心になるソリューションは目新しいことはなかったのですが、読んでいて私が勉強になったのは2つです。もっとじっくり読めばもっと多くの学びがあるのかもしれません。
1つは、在庫削減のメリットを以下のような観点でとらえたことです。

「投資収益率っていうのは、売上げとおなじくらい重要なの。だから、私は興奮しているの。投資収益率がどれくらいかで、どれだけ早く会社が拡大できるかが変わってくるの。*1」そう言うと、訴えるような口調で、ポールに何とか理解してもらおうとキャロラインはさらに説明を加えた。「これまでの四分の一の在庫でも、十分に店をやっていけることを、あなたははっきりと示したわよね。ということは新しく店を開くのに、これまでよりずっと少ない投資で済むということよ。一店舗当たりの投資収益率がそれだけ高ければ、投資だって簡単に認めてもらえるわ」

なるほど・・・・・。


もうひとつは自分にとってサプライア(つまり上流)にあたる製造会社の工程の特性にまで留意して、ウィン・ウィンになるように契約を組み立てるソリューションですが、時間が足りなくなったので今日はここまでで。

*1:強調は私