ヘロドトスとアトランティス?
ところで話は脱線していくのですが、アタランテスという種族名は、ちょっとアトランティスに似ていますね。では、ヘロドトスはアトランティス大陸、あるいはアトランティスという種族について何か書き残しているのでしょうか? 実は、このアタランテス族の記述のあとにアトランテス人というのが登場します。
ついで十日間の行程を経て別の塩の丘と水とがあり、その周りに人が住む。この塩の丘に接してアトラスという山がある。この山は幅が狭く周囲が丸く、その頂上が見極められぬほど高いという。夏冬の別なくその山頂は雲のはれ間がないからで、土地の住民はこの山を天の柱であるといっている。ここの住民の名はこの山の名をとったもので、事実アトランテス人と呼ばれている。この種族は生あるものは一切食わず、また夢も見ないという。
同上
でもおしいことに、このアトランテスという語はAtlantesであってアトランティス(Atlantis)とはわずかに異なっています。それに記述の内容も、哲学者プラトンの述べるアトランティスの話(「ティマイオス」と「クリティアス」)と、まったく共通点がありません。
結局、ヘロドトスはアトランティスについては何も語っていない、ということになりそうです。
- でも、ずーーうっと気になっているんです、この記述のことが。