GI/M/1待ち行列の到着時状態分布(2)

GI/M/1待ち行列の到着時状態分布(1)」の続きです。
ではGI/M/1のときのbはどのようにして求めることになるでしょうか? 「D/M/1待ち行列の到着時刻状態分布(2)」と同様に考えていけば

以上から、

  • p(1)=\Bigsum_{j=1}^{\infty}B(j-1)p(j-1)・・・・・(12)

  • p(k)=p(0)b^k・・・・・(13)

からbを求めれば、p(k)を求めることが出来ることが分かります。


D/M/1待ち行列の到着時刻状態分布(2)

というところに到達します。今までの文脈に合わせて記号を変え、式の番号を振り直して以下に示します。

  • \pi(1)=\Bigsum_{j=1}^{\infty}B(j-1)\pi(j-1)・・・・(13)
  • \pi(k)=\pi(0)b^k・・・・(14)

このうち式(14)は「GI/M/1待ち行列の定常状態分布(1)」の式(1)

  • \pi(k)=(1-b)b^k・・・・(1)

で代用出来ますので、式(14)は不要です。式(1)を式(13)に代入して

  • (1-b)b=\Bigsum_{j=1}^{\infty}B(j-1)(1-b)b^{j-1}

よって

  • b=\Bigsum_{j=1}^{\infty}B(j-1)b^{j-1}・・・・(15)

ここで「GI/M/1待ち行列の到着時状態分布(1)」の式(6)

  • B(k)=\Bigint_0^{\infty}\frac{(t/t_e)^k}{k!}\exp(-t/t_e)g(t)dt・・・・(6)

を式(15)の右辺に代入すると

  • \Bigsum_{j=1}^{\infty}B(j-1)b^{j-1}=\Bigsum_{j=1}^{\infty}\Bigint_0^{\infty}\frac{(t/t_e)^{j-1}}{(j-1)!}\exp(-t/t_e)g(t)dtb^{j-1}
    • =\Bigsum_{j=0}^{\infty}\Bigint_0^{\infty}\frac{(t/t_e)^j}{j!}\exp(-t/t_e)g(t)dtb^j
    • =\Bigsum_{j=0}^{\infty}\Bigint_0^{\infty}\frac{(bt/t_e)^j}{j!}\exp(-t/t_e)g(t)dt
    • =\Bigint_0^{\infty}\Bigsum_{j=0}^{\infty}\frac{(bt/t_e)^j}{j!}\exp(-t/t_e)g(t)dt
    • =\Bigint_0^{\infty}\exp\left(\frac{bt}{t_e}\right)\exp\left(-\frac{t}{t_e}\right)g(t)dt
    • =\Bigint_0^{\infty}\exp\left(-\frac{(1-b)t}{t_e}\right)g(t)dt

よって

  • b=\Bigint_0^{\infty}\exp\left(-\frac{(1-b)t}{t_e}\right)g(t)dt・・・・(16)

この式からbを求めることになります。