GI/M/s待ち行列の到着時刻状態分布に向けて(2)

GI/M/s待ち行列の到着時刻状態分布に向けて(1)」の続きです。「GI/M/s待ち行列の到着時刻状態分布に向けて(1)」の

  • b=\Bigsum_{j=0}^{\infty}B(j)b^j・・・・(10)

は、「GI/M/1待ち行列の到着時状態分布(2)」の式(15)と同じであり、また「GI/M/s待ち行列の到着時刻状態分布に向けて(1)」の

  • B(k)=\Bigint_0^{\infty}\frac{(st/t_e)^k}{k!}\exp(-st/t_e)g(t)dt・・・・(5)

は同じく「GI/M/1待ち行列の到着時状態分布(2)」の式(6)とはtstに置き換えれば同じであるので「GI/M/1待ち行列の到着時状態分布(2)」の式(16)のtstに置き換えたもの、つまり

  • b=\Bigint_0^{\infty}\exp\left(-\frac{(1-b)st}{t_e}\right)g(t)dt・・・・(11)

が成り立つことになります。この式からbを求めることになります。


さて、「GI/M/s待ち行列の到着時刻状態分布に向けて(1)」で

  • \pi(k+1)=b\pi(k) ただしk{\ge}s-1・・・・(9)

から

  • \pi(k)=b^{k-s}\pi(s) ただしk{\ge}s・・・・(12)

が言えます。ジョブ到着時に装置が全てつまっている確率、すなわち待ち確率\Pi_{GI/M/s}はその定義から

  • \Pi_{GI/M/s}=\Bigsum_{k=s}^{\infty}\pi(k)・・・・(13)

となります。ここに式(12)を代入すると

  • \Pi_{GI/M/s}=\Bigsum_{k=s}^{\infty}b^{k-s}\pi(s)=\pi(s)\Bigsum_{k=s}^{\infty}b^{k-s}=\pi(s)\Bigsum_{k=0}^{\infty}b^k

よって

  • \Pi_{GI/M/s}=\frac{\pi(s)}{1-b}

よって

  • \pi(s)=\Pi_{GI/M/s}(1-b)・・・・(14)

これを式(12)に代入すると

  • \pi(k)=\Pi_{GI/M/s}(1-b)b^{k-s} ただしk{\ge}s・・・・(15)

をいうことが出来ます。


さらに、「D/M/s待ち行列の定常状態分布に向けて」で展開した論理をそのまま用いれば、GI/M/s待ち行列の定常状態確率p(k)について

  • u\pi(k)=p(k+1) ただしk{\ge}s-1・・・・(16)

が言え、この式と式(15)と式(9)から

  • p(k)=ub^{k-s-1}(1-b)\Pi_{GI/M/s} ただしk{\ge}s・・・・(17)

をいうことが出来ます。