「深層学習 岡谷貴之著」

ようやく入手した。まだ読み始めたばかりだが良書だと思う。何とか最後まで読み通したい。
ディープラーニング(深層学習)についてはさまざまな見解が発信されているが、著者のような専門家が以下のような冷静な意見を述べているのが信頼出来ると思う。

しかしながら、現在の熱狂は、先述の「冬の時代」の反動といえる部分があります。ノーマークだったニューラルネットワークが、いくつかの難問を鮮やかに解決して見せたのです。関連分野の研究者が受けた衝撃はかなり大きなものでした。しかし落ち着いて考えてみると、確かにできることは増えたものの、人の知能が目標であるならば、まだできていないことの方が圧倒的に多いというのが本当のところです。熱狂と無関心を行き来した過去の経緯を考えると、今はニューラルネットワークへの期待が高すぎる時期なのかもしれません。


「深層学習」の「まえがき」より


この本の特徴と感じたのは、まだ新しいこの分野に(ニューラルネット自体の研究は1940年代から始まった古いものであるが、その最新の話題であるディープラーニングという副分野に)現れた学術用語をなるべく日本語で言い表そうとしているように見えることである。これらが日本語の用語として定着すれば、用語で混乱することが少なくなり、日本語でこの分野を学ぶ人々にとって大きな助けになるだろうと感じた。