M/M/mの状態確率分布の様子

  • M/M/mの待ち行列内に(待っているジョブと処理中のジョブの両方を数えて)n個のジョブがある確率(=状態確率分布)を求める式は、待ち行列の教科書では以下のように書けると書いてあります。
    • 0\le{n}\le{m}ならば
      • p_n=p_0m^nu^n\frac{1}{n!}・・・・(1)
    • n\ge{m}ならば
      • p_n=p_0\frac{m^mu^n}{m!}・・・・(2)
    • ただし
      • p_0=\frac{1}{\Bigsum_{i=\0}^{m-\1}\left{\frac{(mu)^i}{i!}\right}+\frac{(mu)^m}{m!(1-u)}}
  • これをグラフ化するとどのようになるかの一例を、以下に示します。
  • m=5、つまり装置群は5台の同等の装置からなる、としました。装置群の利用率を20%、40%、60%、80%(つまり、u=0.2, 0.4, 0.6, 0.8)になるように装置群へのジョブの量を変えました。
    • 利用率20%の場合
        • もし、利用率が20%で、ジョブ到着間隔にも装置処理時間にもまったく変動のない場合、つまりジョブが等間隔で装置群に到着し、装置処理時間も一定であるならば、装置群の利用率が20%ですから、常に5台×20%=1台の装置が処理中になっているはずです。そうであれば、上のグラフで横軸が1のところだけが1(=100%)の確率であり、その他は確率0になるはずです。しかし、この場合はジョブ到着間隔にも装置処理時間にもかなり変動があるので、ジョブの個数が0の場合、1の場合、2の場合などにバラけているのが分かります。
    • 利用率40%の場合
        • ジョブ到着間隔にも装置処理時間にもまったく変動がないならば、常に5台×40%=2台の装置が処理中になるところです。このグラフでもジョブ数2のあたりがピークになっています。
    • 利用率60%の場合
        • ジョブ到着間隔にも装置処理時間にもまったく変動がないならば、常に5台×60%=3台の装置が処理中になるところです。このグラフでもジョブ数3のあたりがピークになっています。しかし、分布は利用率40%の時よりもより広がっています。
    • 利用率80%の場合
        • 利用率が100%に近くなると、待ち(ジョブ数6以上)の確率が急速に増えていくと同時に分布の範囲がより広がっていきます。
  • たとえばM/D/5では上記のグラフがどう変化するのか、知りたいところですが、私にはまだ求め方が分かりません。