ラウティングによる工場の分類分け

ここで示すような工場の分類をFactory Physicsが行っているわけではありませんが、私はこのような分類をしておいた方が、Factory Physicsにおける一部の議論の内容がはっきりすると思います。
私が提案するのは次の２つの観点からの工場の分類です。

• 単一ラウティング／複数ラウティング
• ループなしラウティング／ループありラウティング

単一ラウティング工場／複数ラウティング工場

単一ラウティング工場とは、

• 
• のように工場に１つのラウティングしか存在しない工場です。ここでのラウティングはジョブが処理のためにステーションを訪れる順序だけを表わすのではなく、そのステーションでの処理内容の情報（例えば処理時間）まで含んでいるものとします。一方、

複数ラウティング工場とは、

• 
• のように工場に２つ以上のラウティングが存在する工場です。（上図では、緑の矢印と赤紫の矢印がそれぞれ別のラウティングを表わしています。）

ループなしラウティング工場／ループありラウティング工場

ループなしラウティング工場とは、

• 
• のように工場内に存在するラウティングのすべてが、同じステーション２回以上訪れないような工場です。図では簡略化のためにラウティングを１個しか書きませんでしたが、複数ラウティングでかつループなし、の場合ももちろんあります。

ループありラウティング工場とは、

• 
• のように工場内に存在するラウティングの少なくとも１つは、同じステーション２回以上訪れるような工場です。図では簡略化のためにラウティングを１個しか書きませんでしたが、複数ラウティングでかつループあり、の場合ももちろんあります。
  • 半導体ファブは、複数ラウティング、かつ、ループあり、の工場ということになります。