アンドレ・ブルトン

日本に帰る飛行機の中で週間文春を読んでいたら、思いがけずアンドレ・ブルトンの名を見つけた。

  • 週間文春 4月19日号 鹿島茂「私の読書日記 パリ、ブラッサイ、エッツェル」よりの引用

X月X日
 今日のフランス行きの目的のひとつはナントを訪れてみること。ナントはアンドレ・ブルトンが『ナジャ』の中で「起こるに値する何かが私の身に起こりそうだという印象のもてる、フランスでただひとつの町」と書いた都市で、事実、シュールレアリストのマンディアルグはそこにパサージュ・ド・ポムレーというこの世のものとは思えないような不思議なスポットを発見して驚喜することになるが、私がナントで見いだしたのは、意外や理想的な町おこしで活気を取り戻し、町一番の繁華街として賑わいを見せているパサージュ・ド・ポムレーであった。

高校、大学のころ、私はわけもわからずにブルトンシュルレアリスムに夢中でした。この文章は思いがけず、何十年も前の自分に自分を連れていってくれました。