ロットサイズとCeの関係（セットアップを考慮した場合）

「ロットサイズとキュー時間の関係」での議論を受けて、今度は、セットアップを考慮した場合の、ロットサイズ $k$ と平均実効タクト時間 $t_e$ の関係を調べます。
まず、セットアップを考慮すると、「故障と段取りの考慮」で紹介しましたように
- $c_e^2=\frac{{\sigma}_e^2}{t_e^2}$ で、さらに
- - ただし
  - $t_s$ ：平均セットアップ時間。
  - $N_s$ ：セットアップから次のセットアップまでの平均ジョブ数
  - ${\sigma}_0$ ：セットアップの影響を除外した、本来の装置タクト時間の標準偏差。
  - ${\sigma}_s$ ：セットアップ時間の標準偏差。
となります。
次には、ウェハ一枚あたりのタクト時間の標準偏差をとすると「同一の確率分布を持つ独立な複数の確率変数の和の変動係数」での議論から、
- ${\sigma}_0^2=k{\sigma}_{0W}^2$
となることが導かれます。さらに、「ロットサイズとteの関係（セットアップを考慮した場合）」から
- $t_e=kt_{0W}+\frac{t_s}{N_s}$
でした。よって、
- $c_e^2=\frac{{\sigma}_e^2}{t_e^2}=\frac{k{\sigma}_{w0}^2+\frac{{\sigma}_s^2}{N_s}+\frac{N_s-1}{N_s^2}{t_s^2}}{\left(k{t_{0W}}+\frac{t_s}{N_s}\right)^2}$
この式からは、ロットサイズ $k$ が小さくなった時、装置処理時間の変動係数 $c_e$ が増加するか減少するかはよく分かりません。