ロット到着分布が独立でないということについて

ロット到着間隔のWIPへの影響の考察(5)」での結果のひとつは、ロットの到着間隔の分布が独立で同一分布に従う場合に、k番目のロットが到着する時刻t(k)標準偏差STD(t(k))は、ロットの到着間隔の標準偏差STD(X)で表すと、

  • STD(t(k))=sqrt{k}STD(X)

になるというものでした。つまりkの増加とともにSTD(t(k)はどんどん上限を持たずに増加するということでした。この様子をグラフに書いてみました。すると以下のようになります。(この例ではSTD(X)=2分としました。)

それでは、ロット到着間隔が独立ではなく、なるべく到着時刻を平均値に近づけようとするような(平均到着間隔をaとすると、この平均値はkaになります。よってこれは、k番目のロットの到着時刻をなるべくkaに近づけようとする、ということです。)、現実の工場に近いロット到着の仕方では上のグラフはどのように変わるのでしょうか? まだ、私はこのあたりの考察がスッキリと出来ていないのですが、おそらく下のグラフのようになるのではないか、と思っております。

このグラフではkが増加するにつれて標準偏差10分のところに収束していきます。つまり上限があります。このようなグラフが、私の考える「独立でない到着分布」の性質を示しているように思えます。