ルネサンスの歴史(上)

ルネサンスの歴史 上 黄金世紀のイタリア

ルネサンスの歴史 上 黄金世紀のイタリア

モンタネッリの本は「ローマの歴史」のほうを先に買っていて、それが非常に面白かったので、こちらも買いました。昭和62年の版を買っていますから、1987年、今からちょうど20年前のことです。私にとっては、ルネサンスの概念を何とか仕入れた初めての本です。(上)は「黄金世紀のイタリア」となっていて(下)は反宗教改革のイタリア」となっています。「ローマの歴史」と同じく、短い章の連続で軽快に、そして少しの皮肉をこめながら、叙述が進んでいきます。
第1章「ルネサンスヒューマニズム」の最後のほうに著者は以下のように書いています。

国家統一がないときには国史もまたない。イタリア・ルネサンス史は列伝体でしか書きようがない。ただしそれは、超一流の巨人たちの列伝である。

こうしてこの物語は、1250年の神聖ローマ皇帝フリードリヒ2世の死から始められ、シチリアの晩鐘教皇アビニョン捕囚、ダンテ、ペトラルカ、ボッカッチオ、ミラノのヴィスコンティスフォルツァフィレンツェメディチ家などの話が続きます。しかし私は「ローマの物語」ほどこの本を熱心に読んだわけではありません。章によって年代が前後するので今ひとつ話の流れが分からないのです。それは「列伝体でしか書きようがない」から仕方がないのでしょうが、一度、年表を片手に読み直したほうがよいようです。