ルネサンスの歴史(下)

ルネサンスの歴史 (下) 反宗教改革のイタリア (中公文庫)

ルネサンスの歴史 (下) 反宗教改革のイタリア (中公文庫)

この(下)は、「反宗教改革のイタリア」という副題がついています。この本の主要モチーフは宗教改革と反宗教改革です。そのために話は、ルターやカルヴァン神聖ローマ皇帝カール5世におよび、地域もイタリアの範囲を越えてドイツ、イギリス、フランス、スペインにまたがって進みます。この本の「序」に書いてあることですが、16世紀からイタリアはヨーロッパの主役から脇役になってしまいます。特に神聖ローマ帝国とフランスの間であるいはスペインとフランスの間でイタリアの分捕り合戦が続きます。そのためにイタリアの歴史はこれらの国々と密接に連動してしまうため、イタリア国外の叙述に多くを割かざる得ない、と著者は述べます。
この本の最後の章は異端の思想家(ジョルダーノ)「ブルーノ」で、1600年の彼の火刑でこの本は幕を下ろします。私にはあまりピンとこない人ですが。
レオナルドとミケランジェロも、この(下)で語られます。ミケランジェロはともかくレオナルドが(下)に入っているのは、年代的に見てちょっとよく分かりません。