【定理1】

補足説明

以下は、「搬送時間ありG/D/1のサイクルタイム定理。CET=TU+TL、TUとTLは一定 の場合」で述べた定理の証明の一部です。証明は、「【前提】」から始まっています。

【定理1】:S'_l\ge{S_l+TL}である。また、E'_l\ge{E_l+TL}

(証明)

  • M1でのかたまりを考察する。かたまりの先頭のロットをロットi、末尾のロットをロットjとする。まだこの時点では、M2においてもロットijが1つのかたまりをなしているかどうかは不明である。
  • かたまりの定義から、ロットiは、ロットi-1の処理終了時刻より後に処理を開始しているか、あるいは、i=1である。よってロットiの処理開始時刻にはM1にはロットは存在しない。よってロットiは待ち時間がないままに処理開始している。よってS_i=A_iである。
  • M2においては、ロットiの到着時刻A_iは同じであるが、M1と違って処理開始の前に待ち時間があるかもしれない。よってS'_l={A_l+TL}であるとは言い切れないが少なくともS'_l\ge{A_l+TL}である。
  • よって、かたまりの先頭のロットiについて
    • S'_l\ge{S_l+TL}
  • が言える。
  • 次にかたまりの次のロット、ロットi+1を考える。M1では、E_i=S_{i+1}であるから、S_{i+1}=S_i+t_eである。
  • 一方M2においてはかたまりをなしているかどうか明らかでないので、E'_i\le{S'_{i+1}}が言えるのみである。よって、S'_{i+1}\ge{E'_i}={S'_i+t_e}\ge{S_i+TL+t_e}=S_{i+1}+TL。よって、
    • S'_{i+1}\ge{S_{i+1}+TL}
  • が言える。
  • 以下、同様のことがかたまりの最後のロット、ロットjまで言える。すなわち、
    • S'_k\ge{S_k+TL}  ただしi{\le}k{\le}j
  • M1でかたまりになっていないロットについては、かたまりの長さが1であると考えることで、同様のことが言える。
  • よって全てのlについて
    • S'_l\ge{S_l+TL}
  • が言える。
  • また、E'_l=S'_l+t_eE_l=S_l+t_e、であるから
    • E'_l\ge{E_l+TL}
  • が言える。

(証明終わり)

議論の継続

この【定理1】は【定理2】【定理4】【定理6】で使用されます。