【定理3】

補足説明

以下は、「搬送時間ありG/D/1のサイクルタイム定理。CET=TU+TL、TUとTLは一定 の場合」で述べた定理の証明の一部です。証明は、「【前提】」から始まっています。

【定理3】TL+TU{\le}t_e(LP-1)の場合、M2でロットlが「かたまり」の先頭のロット(「かたまり」の長さが1の場合も含む)であれば、S'_l=A_l+TLである。またロットlはロードポート上での待ちはない。

(証明)

  • l=1の場合は明らか。以下、l>1の場合を証明する。
  • M2でロットlが「かたまり」の先頭のロットであるので、[tex:E'_{l-1}
  • 次に、ロットlにキューでの待ちがあったかどうかを調べる。もし、キューでの待ちがあったとすると、その後、搬送が始まったのは装置の1つのポートが処理終了してTUが経過してからである。この時点で装置の他のポートはみな処理終了以前であるはずである。さもなければ、ロットlはもっと早く搬送が始まっていたはずだからである。よってこの時点で装置のある1つのポートについてはロットの処理が始まってTUが経過しており、処理の残り時間はt_e-TUである。その他の装置ロードポート上のロットの数はLP-2個であり、各々の処理時間はt_eである。よって、これら計LP-1個のロットの処理がすべて完了するのは
    • (t_e-TU)+t_e(LP-2)=t_e(LP-1)-TU
  • 後である。
  • 一方、ロットlは、TUが経過した時点からTL後に搬送が終了し、そのまま処理が開始されるから、処理開始はTL後となる。
  • ところが、TL+TU{\le}t_e(LP-1)であるので、TL{\le}t_e(LP-1)-TU。よって、ロットlの処理開始がロットl-1の処理終了より以前になる。これは矛盾であるから、ロットlにキューでの待ちはない。
  • ロットlにはキューでの待ちもロードポートでの待ちもないので、S'_l=A_l+TL

(証明終わり)

議論の継続

この【定理3】は【定理4】【定理7】で使用されます。