「ザ・ゴール」から抽出した法則
ここでは、「ザ・ゴール」から法則を抜き出すで提案したことの一応の結果を示します。
「ザ・ゴール」から抽出した法則
- 1.需要とバランスをとらないといけないのは生産能力ではなく工場の中での製品フローである。(p.218)
- 正直なところ私はこれの意味するところが分かりません。
- 2.ボトルネックの1時間あたりの生産能力は工場の1時間当たりの生産能力に等しい。(p.247)
- 3.ボトルネックで1時間、時間を無駄にすれば、工場全体で1時間無駄にしたことと同じことになる。(p.247)
- これは2の系に位置づけられるでしょう。
- 4.ボトルネックの能力を増やすには
(p.248)
- これも2の系に位置づけられるでしょう。
- これは5の系に位置づけることが出来ます。
- これについては、一概にそうとは言えない、ということを私は「[ロットサイズ縮小によるセットアップ(段取り)増加について 」で述べました。そこで提案した修正した法則は、
- 非ボトルネックに余裕が充分ある限りセットアップ回数が増加しても工場全体の生産性に悪影響を与えない。
- でした。しかし、ここでの議論で私は「工場全体の生産性」という言葉を曖昧に扱っていたと、あとで反省しました。これは以下のように直すべきでしょう。
これで全部です。しかし、私にはまだ気に入らないところがあります。
1は私が納得していないので却下です。
2と3はほぼ同じことを言っているので、私は3を採用します。しかし3はすでに「今の時点での生産システムの諸法則にすでに追加しています。
- 2で「生産能力」と言っているのはFactory Physicsでいうキャパシティのことです。
- それから、2はボトルネック(Factory Physicsの言葉で正確に言えばボトルネック・ステーション)をラウティングが複数回通る場合には成り立ちません。(ボトルネック・ステーションの記述を参照)
4については、法則というよりか、法則3を受けての行動指針のようなものに見えます。法則としては却下です。
5は法則っぽいのですが、もう少し言葉を正確にする必要があるように思えます。
6も行動指針のように思えます。
7は上で訂正したように
とすべきでしょう。
以上、書いていて気づいたのですが、そもそも
- 工場には、そのキャパシティを決定するボトルネック・ステーションが通常1つ、存在する。
という法則があるべきでしょう。そして、上記の5は、
- ボトルネック・ステーションが多数存在する工場は不安定な工場である。
と直すべきでしょう。まだ、検討の余地がありそうですが・・・・・・