- 作者: 村井純
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1995/11/30
- メディア: 新書
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この本をいつ買ったのか覚えていません。初版は1995年で私が今、持っているのは1996年の発行です。子供が大きくなってインターネットの初期の歴史を尋ねてきたら読ませよう、と思って買ったような気がします。10年以上前の本ですが、今回読み直して、今日的な視点があちこちにある、と感じました。たとえば、
「いいかげんな」技術の集合
ここまでのところで、インターネットの仕組みについて、かなりいいかげんではないか、という印象をもたれるかもしれません。しかし実際、インターネットの技術のおもしろいところは、「いいかげん」な技術の集合であることです。それが、なんとなく動く。インターネットの専門家たち自身が「奇跡」と言っているようなことが、たくさんあるのです。
(「第1章 インターネットの仕組み」から)
インターネットの重鎮、マサチューセット工科大学(MIT)のデーブ・クラークが述べた有名な言葉を紹介しておきましょう。
「われわれは、プレジデントも、チェアマンも、エンペラーも、キングも要らない。われわれはそれを根拠に動いてはいない。われわれが信用しているのは、動いているコードとラフ・コンセンサスだけなのだ。」
(同じく「第1章 インターネットの仕組み」から)
あるいは「第2章 インターネットの空間」で情報検索の問題(まだこの年にはGoogleはないが、Yahooは本書に登場する)を取り上げていることや、
インターネット百科事典
インターネットでは、誰でもがコミュニケーションの主体になれる、もう一つの事例としてインターネット百科事典について、紹介しておきます。
(「第3章 メディアとしての可能性」から)
などです。
これは歴史資料として保存しておこうと思います。