インターネット

インターネット (岩波新書)

インターネット (岩波新書)

私の本棚の中で人工知能と人間のとなりに並んでいたのがインターネットです。めずらしくIT関係の本が続きます。
この本をいつ買ったのか覚えていません。初版は1995年で私が今、持っているのは1996年の発行です。子供が大きくなってインターネットの初期の歴史を尋ねてきたら読ませよう、と思って買ったような気がします。10年以上前の本ですが、今回読み直して、今日的な視点があちこちにある、と感じました。たとえば、

「いいかげんな」技術の集合
 ここまでのところで、インターネットの仕組みについて、かなりいいかげんではないか、という印象をもたれるかもしれません。しかし実際、インターネットの技術のおもしろいところは、「いいかげん」な技術の集合であることです。それが、なんとなく動く。インターネットの専門家たち自身が「奇跡」と言っているようなことが、たくさんあるのです。


(「第1章 インターネットの仕組み」から)

 インターネットの重鎮、マサチューセット工科大学(MIT)のデーブ・クラークが述べた有名な言葉を紹介しておきましょう。
 「われわれは、プレジデントも、チェアマンも、エンペラーも、キングも要らない。われわれはそれを根拠に動いてはいない。われわれが信用しているのは、動いているコードとラフ・コンセンサスだけなのだ。」


(同じく「第1章 インターネットの仕組み」から)

あるいは「第2章 インターネットの空間」で情報検索の問題(まだこの年にはGoogleはないが、Yahooは本書に登場する)を取り上げていることや、

 インターネット百科事典
 インターネットでは、誰でもがコミュニケーションの主体になれる、もう一つの事例としてインターネット百科事典について、紹介しておきます。


(「第3章 メディアとしての可能性」から)

などです。
これは歴史資料として保存しておこうと思います。