「ロードポートネックによるキャパシティ悪化の近似式」では、「装置の処理時間は一定」と仮定しました。これをが変動する場合に拡張する方法について考えます。
- (ロードポートの数は2のままであるとします。)
この時、の場合は、もう1つのロードポートのロットが処理されている間にキャリア交換が完了するので、装置が空く事はないのは以前と同様です。また、がいくら短くても別のキャリア交換がであったことの埋め合わせをすることは出来ないのも同様です。よって、装置のキャパシティの悪化に寄与するのはの場合だけであることが分かるので、というあらたな確率変数を導入し、の時の確率密度をで表わして、「ロードポートネックによるキャパシティ悪化の近似式」と同様に考えればよさそうです。
「ロードポートネックによるキャパシティ悪化の近似式」で提示した近似式
- ・・・・・・(1)
におけるでは、がの値を表わしていることと、の確率変数がで定義されることを考慮すれば、はに対応することが分かります。よって式(1)における
- は
に対応し、
- は
に対応することになります。一方、式(1)におけるは定数でしたが、今回の条件では確率変数ですので、式(2)のは、その平均値で置き換えればよさそうです。
よって、上記、式(1)を、が変動する場合に拡張した式は、というあらたな確率変数を導入し、その分布の確率密度関数を用いて
- ・・・・・・(2)
と書かれます。