積形式解、ジャクソン・ネットワーク

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前回「どういう時に積形式解が成り立つか?」という課題を挙げました。ORWikiで調べてみるとジャクソンネットワークは、必ず積形式解を持つようです。そして「ジャクソンネットワーク」とはORWikiの「ジャクソンネットワーク」によれば

各ノードはひとつまたは複数の窓口からなり, 指数分布にしたがうサービス時間でサービスを行い,ノードでのサービスを終えた客は次のノードまたは外部を確率的経路選択にしたがって選ぶ待ち行列ネットワーク

ということなので、今回「M/M/1→M/1待ち行列ネットワークの待ち時間を求めて(1)」〜「(3)」で取り上げたネットワークだけでなく、処理時間が指数分布で複数装置台数のステーションからなるネットワーク、それも、直列だけでなく、もっと一般的なネットワークでも、「積形式解」が存在するようです。しかし、現在の私にはそれを証明することは出来ません。
さらに、ORWikiの「《積形式解ネットワークとなるための条件》」によれば

待ち行列ネットワークの定常分布が解析的に求められるのは,ジャクソンBCMPネットワークのように定常分布が各ノードの周辺分布の積として表されるとなる場合と,集団移動型ネットワーク(batch movement network)などで,特殊なサービス規律を適用した場合などに限られている.

と書かれているので、ジャクソンネットワーク以外にも積形式解の存在するネットワークがあるようです。


私としては、当面の目標をジャクソンネットワークなぜ、積形式解を持つのか、の解明、にしたいと思います。


ところでBCMPネットワークについては、ORWikiの「BCMP」によれば、

客数ベクトルの定常確率が積形式で与えられる待ち行列ネットワーク のひとつで,ジャクソン型を拡張して客にクラスを設け, サービス規律をより一般的にしたもの. サービス時間分布は,先着順の場合は指数分布のみであるが,プロセッサ・シェアリング,無限サーバ,後着順割込継続型の場合は,任意の分布が許される.この結果は1975年にバスケット(F. Baskett)らによって発表されたが,その後この論文の著者4人のイニシャルをとって,BCMP型と呼ばれている.

とのことですが、今の私には何が何だかさっぱりです。特にクラスという言葉が分かりません。


M/M/1→M/1→M/1待ち行列の解析」に続きます。