大カトー(マルクス・ポルキウス・カトー・ケンソリウス)

共和制ローマの政治家。大スキピオの政敵

昔使われていた表現は今ではもうすたれてしまった。同様に昔大いにうたわれた名前もある意味で今はすたれた。たとえばカミッルス、カエソ、ウォレースス、デンタートゥスや後のスキーピオ、カトー、それからまたアウグストゥスハドリアーヌスアントーニーヌス。すべてすみやかに色あせて伝説化し、たちまちまったき忘却に埋没されてしまう。


(「自省録」マルクス・アウレーリウス著、神谷美恵子訳 岩波文庫より)