自省録に登場する人名

クリュシッポス

紀元前280年頃のストア哲学者。 しかし君としては、クリュシッポスが言及している劇の中のくだらぬ、笑うべき詩句のような場所を占めぬように気をつけるがよい。 (「自省録」マルクス・アウレーリウス著、神谷美恵子訳 岩波文庫より)

ハドリアーヌス

アントーニーヌスの前の皇帝。マルクスの養祖父。マルクスを養孫にしてアントーニーヌスの次の皇帝に定めた。「ふたたびハドリアヌス」参照。 昔使われていた表現は今ではもうすたれてしまった。同様に昔大いにうたわれた名前もある意味で今はすたれた。たと…

アウグストゥス

初代ローマ皇帝。ローマの平和を確立する。 昔使われていた表現は今ではもうすたれてしまった。同様に昔大いにうたわれた名前もある意味で今はすたれた。たとえばカミッルス、カエソ、ウォレースス、デンタートゥスや後のスキーピオ、カトー、それからまたア…

大カトー(マルクス・ポルキウス・カトー・ケンソリウス)

共和制ローマの政治家。大スキピオの政敵 昔使われていた表現は今ではもうすたれてしまった。同様に昔大いにうたわれた名前もある意味で今はすたれた。たとえばカミッルス、カエソ、ウォレースス、デンタートゥスや後のスキーピオ、カトー、それからまたアウ…

大スキーピオ(プブリウス・コルネリウス・スキピオ・アフリカヌス)

共和制ローマの将軍。前202年のザマの戦いでカルタゴの名将ハンニバルを破り、第二次ポエニ戦争を終結させる。 昔使われていた表現は今ではもうすたれてしまった。同様に昔大いにうたわれた名前もある意味で今はすたれた。たとえばカミッルス、カエソ、ウ…

マーニウス・クリウス・デンタートゥス

共和制ローマの将軍。前275年、ギリシアのエーペイロス王ピュルロスを破る。 昔使われていた表現は今ではもうすたれてしまった。同様に昔大いにうたわれた名前もある意味で今はすたれた。たとえばカミッルス、カエソ、ウォレースス、デンタートゥスや後の…

フーリウス・カミルルス

共和制ローマの将軍。前390年のガリア人によるローマ占領の時、ガリア人を追い払い、ローマの第2の建設者と呼ばれた。 昔使われていた表現は今ではもうすたれてしまった。同様に昔大いにうたわれた名前もある意味で今はすたれた。たとえばカミッルス、カ…

エピクテートス

ギリシアのストア派哲学者。神の摂理、現世の利欲に対する無関心、克己、汎愛を説き、弟子のアリアヌスの集録した講義によって後世に大きな影響をおよぼす。マルクス・アウレリウスはむろんその愛読者である。 「ユルスナール『ハドリアヌス帝の回想』の訳者…

トラヤーヌス

皇帝。五賢帝の2番目。 たとえばウェスパシアーヌスの時代のことを考えて見よ、そうすればつぎのようなものを残らず見出すだろう。 ・・・・・つぎにトラヤーヌスの時代に移って見よ。そこでもなにからなにまで同じことだ。 (「自省録」マルクス・アウレー…

ウェスパシアーヌス

皇帝。 たとえばウェスパシアーヌスの時代のことを考えて見よ、そうすればつぎのようなものを残らず見出すだろう。 ・・・・・つぎにトラヤーヌスの時代に移って見よ。そこでもなにからなにまで同じことだ。 (「自省録」マルクス・アウレーリウス著、神谷美…

ファウスティーナ

マルクスの妻。前皇帝アントーニーヌス・ピウスの娘。 (神々からは)私の妻のようなあれほど従順な、あれほど優しい、あれほど飾りけのない女を妻に持ったこと。 (「自省録」マルクス・アウレーリウス著、神谷美恵子訳 岩波文庫より)

テオドトス

不明。 (神々からは)ベネディクタにもテオドトスにも触れなかったこと。また後に恋愛の情に駆られたことはあっても、それから癒されたこと。 (「自省録」マルクス・アウレーリウス著、神谷美恵子訳 岩波文庫より)

ベネディクタ

不明。 (神々からは)ベネディクタにもテオドトスにも触れなかったこと。また後に恋愛の情に駆られたことはあっても、それから癒されたこと。 (「自省録」マルクス・アウレーリウス著、神谷美恵子訳 岩波文庫より)

ルーキウス・ウェールス

マルクスの義弟。マルクスとともに皇帝となるが職務にはそれほど熱心ではなかった。しかしマルクスへの尊敬の念を常に持ち、二人の間は平穏に過ぎていった。早く病没し、その後はマルクスが単独の皇帝としてローマを統治した。 (神々からは)弟として、私の…

クラウディウス・マクシムス

ストア派哲学者。マルクスにより執政官に任ぜられ、次でパンノニアの副総督(レガートス)、アフリカの地方総督に歴任する。 マクシムスからは、克己の精神と確固たる目的を持つこと。 (神々からは)アポローニウス、ルスティクス、マクシムスを知ったこと…

アントーニーヌス・ピウス

マルクスの養父。マルクスの前のローマ皇帝。下の引用で「父」とあるのは彼のこと。 父からは、温和であることと熟慮の結果一旦決断したことはゆるぎなく守り通すこと。いわゆる名誉に関してむなしい虚栄心をいだかぬこと。 (神々からは)統治者、また父と…

マルクス・プルートゥス

「プルータス、おまえもか?」で有名なブルートゥス。カエサルを暗殺した一人。 私の兄弟セウェールスからは、家族への愛、真理への愛。正義への愛。また彼を通してトラセアス、ヘルウィディウス、カトー、ディオーン、プルートゥスを知ったこと。 (「自省…

ディオーン

古代ギリシアのシュラクサイの政治家。哲学者プラトンの友人。シュラクサイの僭主ディオニュシオス2世に対して反乱を企てるが失敗し、殺される。 私の兄弟セウェールスからは、家族への愛、真理への愛。正義への愛。また彼を通してトラセアス、ヘルウィディ…

小カトー(マルクス・ポルキウス・カトー・ウティケンシス)

ローマの政治家カエサルの政敵。カエサルに敗れ自殺する。 私の兄弟セウェールスからは、家族への愛、真理への愛。正義への愛。また彼を通してトラセアス、ヘルウィディウス、カトー、ディオーン、プルートゥスを知ったこと。 (「自省録」マルクス・アウレ…

トラセアス

ローマの元老院議員・ストア哲学者(66年死)。カトーを範とし、独立不羈の思想ゆえにネロに憎まれ、死を宣せられた。 「ユルスナール『ハドリアヌス帝の回想』の訳者多田智満子による注」より 私の兄弟セウェールスからは、家族への愛、真理への愛。正義…

クラウディウス・セウェールス

逍遥学派の哲学者。彼の息子はマルクスの次女ファディラと結婚した。「兄弟」と云うのは恐らく親愛の情をあらわす言葉として用いたのであろう。 私の兄弟セウェールスからは、家族への愛、真理への愛。正義への愛。また彼を通してトラセアス、ヘルウィディウ…

アテノドトゥス

フロントーの師 ドミティウスとアテノドトゥスについて伝えられているように自分の先生たちに関して心から善いことをいうこと。 (「自省録」マルクス・アウレーリウス著、神谷美恵子訳 岩波文庫より)

ドミティウス

マルクスの母方の祖先の一人。 ドミティウスとアテノドトゥスについて伝えられているように自分の先生たちに関して心から善いことをいうこと。 (「自省録」マルクス・アウレーリウス著、神谷美恵子訳 岩波文庫より)

カトゥルス

ストア派哲学者 カトゥルスからは、友人が講義を申込んで来たならば、たとえそれがいわれなき抗議であろうともこれを軽視せずに、彼を平生の友好関係にひきもどすべく試みること。 (「自省録」マルクス・アウレーリウス著、神谷美恵子訳 岩波文庫より)

アレクサンドロス

マルクスのギリシア人秘書であったという。 プラトーン派のアレクサンドロスからは、「私は暇がない」ということをしげしげと、必要もないのに人にいったり手紙に書いたりせぬこと。 (「自省録」マルクス・アウレーリウス著、神谷美恵子訳 岩波文庫より)

コルネーリウス・フロントー

修辞学者コルネーリウス・フロントー。マルクスの教師の中もっとも有名であり、もっともマルクスに敬愛された人。二人の間の書簡が残っている。 フロントーからは、暴君の嫉妬と狡智と虚偽とはどんなものかを観察したこと。 (「自省録」マルクス・アウレー…

ネーロー

暴君として有名なローマ皇帝ネロのこと。 衝動の糸にあやつられることは野獣や女のような男やパラリスやネーローでもやる。 (「自省録」マルクス・アウレーリウス著、神谷美恵子訳 岩波文庫より)

パラリス

紀元前約6世紀頃のシシリアの暴君 衝動の糸にあやつられることは野獣や女のような男やパラリスやネーローでもやる。 (「自省録」マルクス・アウレーリウス著、神谷美恵子訳 岩波文庫より)

ソークラテース

有名なソクラテス デーモクリトスは虱に殺され、ソークラテースは他の害虫に殺された。 そのダイモーンは個人的な衝動をすべて自分の配下におき、もろもろの思念を検討し、ソークラテースのいったように、感覚的な誘惑をのがれて、神々の支配の下に身をおき…

デーモクリトス

紀元前5世紀のギリシアの哲学者。原子論を唱える。 デーモクリトスは虱に殺され、ソークラテースは他の害虫に殺された。 (「自省録」マルクス・アウレーリウス著、神谷美恵子訳 岩波文庫より)