M/M/m待ち行列ののX-Factor

M/M/mにおける待ち時間の式の導出(3)」で導出したようにM/M/m待ち行列での待ち時間CT_qは、

  • CT_q=\frac{m^{m-1}u^m}{m!(1-u)^2}p_0t_e・・・・・・(1)
    • ただし
    • p_0=\frac{1}{\Bigsum_{k=0}^{m-1}\frac{(mu)^k}{k!}+\frac{(mu)^m}{m!(1-u)}}・・・・・・(2)

でした。よってサイクルタイムCT

  • CT=CT_q+t_e=\left(\frac{m^{m-1}u^m}{m!(1-u)^2}p_0+1\right)t_e・・・・・・(3)

となります。よって、そのX-Factoerは、

  • X-Factor=\frac{m^{m-1}u^m}{m!(1-u)^2}p_0+1・・・・・・(4)

になります。式(4)と(2)を用いて、M/M/1、M/M/2、M/M/3、M/M/4、M/M/5について、利用率X-Factoerの関係をグラフに示しました。

この図を見ると、利用率が同じであれば、装置台数mが大きいほうがX-Factoerが小さいことが分かります。また、mを一定にすると、利用率が大きいほうがX-Factoerが大きいことが分かります。これらのことは直感的には明らかなのですが、いざ証明しようとすると式(4)(2)の形が複雑なので、私には今のところうまく証明出来ません。


しかし、これらのことは明らかなので(多くの装置でロット処理を分け合ったほうがロットの待ち時間が短いのは明らか。また、装置の利用率が大きいほうが装置が忙しいので待ち時間が長くなるのは明らか)、以下のように数式で表しておきます。M/M/m待ち行列利用率uの時のX-FactoerX-Factor(M/M/m,u)で表すと

  • もし[tex:u_1
    • [tex:X-Factor(M/M/m,u_1)
  • もし[tex:m_1
    • X-Factor(M/M/m_1,u)>X-Factor(M/M/m_2,u)・・・・・・(6)